新入社員と組織を繋ぐオンボーディング録
こんにちは。とあるベンチャー企業でひとり人事をしている朱夏です。
先週は弊社に新しいメンバーが中途入社しまして、その準備とオリエンテーションがメインの1週間でした。
今年度から中途入社者の受け入れ体制にかなりテコ入れをしておりまして、今回のオンボーディングは今のところは順調に進んでおります。よかった(=ω=)
*オンボーディングとは
本来は船や飛行機に新しく乗り込んできたクルーや乗客に対して、必要なサポートを行い、慣れてもらうプロセスのことを指します。人事用語としては、企業が新たに採用した人材を職場に配置し、組織の一員として定着させ、戦力化させるまでの一連の受け入れプロセスを意味します。
(引用:https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=101)
ということで、今回の記事では自身の備忘も兼ねて弊社でやっているオンボーディングの段取りと入社1週間までの進め方をまとめていきます。
ちょっと長くて恐縮ですが、お付き合いくださいませ。
◾️入社前
1.メンターの設定
入社直後は常に期待と不安の入り混じった緊張状態に晒されます。そんな新メンバーの拠り所となって精神支援を行うのがメンターです。
新メンバーの年齢や社会人経験に関わらず、必ず1人以上のメンターをつけます。
可能なら選考の時点でメンター候補を挙げておき、面接に同席してもらっておくとその後の心理的ハードルも下げることができます。
メンターには、同じように中途で入社したメンバーやその人がつく業務にある程度見識がある人が望ましいです。
弊社の場合は中途メンバー2名にメンターとして入ってもらいました。
・3ヶ月前に入社したばかりのAさん
・入社5年くらい+新メンバーの業務内容に見識があるBさん
Aさんには主に入社直後の不安に共感を示して寄り添いつつ、Bさんが社内の風土や仕事の進め方についてアドバイスできるような布陣にしました。
2.1ヶ月のスケジュール設計
1ヶ月後のゴールを設定して、達成するために必要な経験、知識を洗い出して1ヶ月のスケジュールに落とし込んでいきます。
これによって行き当たりばったりなオンボーディングを防ぎ、都度現在地点を確認できるようにします。
弊社では入社1ヶ月のタイミングで目標設定面談を行うので、その時点で「今後こういった課題について取り組んでいきたい」と本人の言葉で伝えることができるようにすることを1ヶ月後のゴールと設定しています。
そして、逆算して事業理解・サービス理解のためのオリエンテーションや顧客との商談への同席などのスケジュールを組んでいきました。
弊社では以下のようなエクセルを作成しています。
予定変更などがあれば都度加筆修正して、1つのファイルを共有しています。
3.社内への事前告知
社内全体で新メンバーを歓迎する空気を作っていくために、事前に新メンバーについて告知しておくことも割と大事です。
弊社ではTeamsを運用しているので、スレッドで新メンバーの簡単なプロフィールや入社後の仕事内容などを共有しました。
◾️入社初日〜3日目
1.社員全員へ自己紹介
本人から社員全員に向けて自己紹介をしてもらいます。
弊社の場合は全社朝礼の場で口頭での自己紹介+Teamsスレッドで文章での自己紹介の2段構えで行っています。
本人が喋ることで口調、声の高さ、表情、話すスピードといった文章では感じ取れない雰囲気を伝えることができます。一方で、喋ったことは形に残らないので後から見返せるように文章でも残しておく、という感じです。
2.メンターと対面で会う
弊社は原則リモートワークですが、入社直後のこのタイミングではリアルで会う機会を作っています。リアルで会っていると、その後のコミュニケーションにおける心理的ハードルが下がって要らぬコミュニケーションミスや抱え込みを防ぐことができると感じています。
このご時世なので感染対策は十分にとった上で、短い時間でも対面で話す場を設けています。
3.各種オリエンテーションと社内用語の説明
どの会社でもオリエンテーションは実施していると思います。弊社ももちろんやっていますが、その時に心がけているのは
・社内用語も都度説明していく
・資料にない暗黙知も伝えていく
の2点です。
部署名の由来や略称、各メンバーの特徴や本人との共通点なども折りに触れて解説していきます。
4.社内メンバーのプロフィール帳を共有
弊社ではメンバー一人ひとりの経歴や趣味、社内での業務内容などを網羅したプロフィール帳を作って社内で共有しています。
「この間のMTGで話していたこの人は誰?どんな人?」というのを都度確認できるようにしています。
◾️〜入社1週間
1.メンターと1日の振り返り
最初の1週間は、毎日夕方にメンターとの振り返りの時間を設けています。
特に最初の1週間はインプット内容が多いので、消化しきれなかったところや疑問が残っていること、戸惑っていることなどを打ち明けてもらってフォローするための時間にしています。
この時に大切にしているのは、本人だけでなくメンターが気になっていることも吸い上げることです。
メンター自身も「この伝え方でよかったのかな?」「どうフォローすればいいのかな?」と試行錯誤で悩んだり困ったりすることがあるので、振り返り内容の中で気になることやメンターのフォローだけでは限界があると思ったことはなるべく教えてもらうようにしています。
2.人事と1週間の振り返り
1週間過ごしてみてどうだったかをポジティブ/ネガティブの両面で振り返る時間を設けています。
メンターには伝えづらいことや会社全体に関わる質問事項などをここで受け止めてフォローしています。
また、2週目以降の方針や過ごし方についてもここで認識のすり合わせをしていきます。
◾️まとめ:最初の1週間は社内と本人をどれだけ繋げられるかがカギ
オンボーディング序盤は、本人の業務内容や期待されていることと事業内容、サービスや既存メンバーがどのように繋がっているのかを把握していくことだと思います。
そのためには【外の存在だった会社を自分のフィールドにしていく】【一員として馴染んでいく】が不可欠なので、「このサービスは今後こういった形でバージョンアップしていきたいからあなたのこの知見を借りたい」「このメンバーは今後こういった仕事で絡むことが多いですよ」といった繋がりをまずはこちらから伝えていくことが大切だと考えています。
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実は弊社、昨年度までは明確なオンボーディングがなかったんです。
出社ありきの従来はそれでもなんとかなっていたんですが、コロナ禍になってそれでは全くダメであると痛感しまして。
(社内アンケートで「放置されていて辛かった」と明確に書かれていました…)それで今年度からテコ入れを始めたというところです。
まだまだ改善の余地はあると思うので、今回の実体験も糧にしながら自社らしいオンボーディングの形を作っていきたいと思います。
それでは今日はこの辺で( ˘ω˘)