四行詩集 (2024.2.26)
『朝がくる』
長く あまりに長く夜が続いた
太陽は地平線の向こうから現れる
そして夜の肉体を引き裂き
その血しぶきがやがて青空に変質する
✝
『失意の酒』
失意はいつまでも胸に残る
そして私は 私を奪われていく
酔おうとして飲む酒ほど
悲しい味の飲み物があろうか
✝
『丘の上の祈り』
丘の上で青空を眺める
主の御声を聞こうとする
丘の上で青空を眺める
私の祈りを受け取って飛んでおくれ 鳩よ
✝
『夜がくる』
夕方━━力を失った太陽が沈んでいくのを
夜の女王は見逃さなかった
黒いカーテンで青空を包み隠していく
鳥たちは塒へと逃げるように飛んでゆく
(2024.2.26)