ヴェルレーヌに捧ぐ
━━Il pleure dans mon coeur
Comme il pleut sur la ville ;
Paul Verlaine.
街に降る雨のように
私の心にも涙が降る
私はそれをどうにも出来ずに
長い間 涙を流していた
失意の雲は不吉に湧き起こり
病んだ皮膚に拡がる発疹のように
心の空を覆い尽くすと
そこに土砂降りの雨を降らせる
涙は訳もなく降りしきる
望みを王者のように示していた
あの太陽はどこに消えたのか
今となっては知る由もない
涙の雨が止んだ後も
なお心を支配する疾患の失意の雲
せめてはヴェルレーヌの詩集を開き
哀切な歎きの歌を聴こうか
(2024.11.9)
東の日出る国より。我が憧れのポール・ヴェルレーヌに。