![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154984015/rectangle_large_type_2_27e28ef0cc6382ae290acf24f255451d.jpeg?width=1200)
悲歎の置き場
悲歎が、また私にぬるい酒を飲ませる。
ぬるい酒は、胃袋の中に拡がって、
鋭い酔いが、頭にかっと来る。
そうして私は集中して、悲歎の置き場の詩をつくる。
私には、こうすることしか出来なかった。
悲歎の原因を解決することは、
今はまだ、難しいことであった。
そうして毎晩、安くてぬるい酒の壜を手にとり、
それをグラスに注いで飲んだ。
ぬるい酒は、胃袋の中に拡がって、
鋭い酔いが、頭にかっと来る。
不器用な詩人━━私は、
集中して悲歎の置き場の詩をつくる。
今の私は、こうすることで精一杯だった。
(2024.9.20)