ファイブウェイポジショニング戦略(フレッド・クロフォード/ライアン・マシューズ)
こんにちは。今回もブレストのレポート&気づきを報告します。
今回は珍しく本から題材を取りました。
星野リゾートの星野さんが愛用している戦略「ファイブウェイポジショニング戦略」についてです。
こちらの戦略、僕も非常に良いなと思っておりまして、1年以上前に読んでいたのですが、改めて会社に落とし込んでいきたいなと思いまして、サラッと読み返して社内で共有しました。
社内で共有してもたぶんメンバーは理解できないと思っていたので笑、自分がちゃんと使えるようになるため用にやりました。その中でたくさんの気づきが得られたのでいくつか共有したいと思います。
ファイブウェイポジショニング戦略とは
まずファイブウェイポジショニング戦略とは何かを簡単に説明します。
ビジネスに係る要素を5つに分けたのがファイブウェイポジショニングです。
「価格」「サービス」「アクセス」「商品」「経験価値」
この5つすべてを5点満点にするのではなく、理想的なスコアは、5・4・3・3・3にせよ、というのが考え方。
この考え方が僕にとって非常にしっくりきまして。
というのも、僕は会社を創業してから約10年くらいランチェスター戦略を勉強してきました。僕の税理士がランチェスター戦略の講師をしていて、そこから勉強会に誘われて、なぜかクリエイター向けの勉強会の静岡支部長的なことをやっております。なのでわりとランチェスター戦略は身に染み付いていると思っているのですが、このランチェスター戦略の基本的な考え方は「No.1を作れ」というもの。具体的にいうと「商品」「地域」「客層」のどれかで1位を作らなければならない。市場において1位しか生き残れないからです。でもそこに抜けているのは、じゃあ商品・地域・客層のどれかが1位で、ほかはどうでもええんか?ということ。実はランチェスター戦略には8大要因というのがあって、商品・地域・客層・営業・顧客維持・組織・資金・時間と経営を8つの要素に分けているんですが、1位のことしか言わないんですね。じゃあ資金とか組織とかどうでもいいんかなと思っちゃうところを、このファイブウェイポジショニング戦略が補ってくれたのです。
いや、1位とればいいってもんじゃないのよ。少なくともどうでも良い要素も他の会社の平均レベルまであげなきゃダメなのよ。というわけです。
ファイブウェイポジショニング戦略では、5点満点のスコア中、2点以下があるなら、まずはそこは最低限3点にしろ、といっています。そのうえで差別化となる4点、そして世界に通用するレベルの5点を作ること。
これが自分のやってきたランチェスター戦略の考えたかにも通じているし、その上で進化している感じがあるので、自分にすごくしっくり来たんですね。本を読んでいるときも、なるほどなるほどと楽しみながら読めました。
ファイブウェイポジショニング戦略には5つの要素があると書きましたが、その内容の解釈が結構難しかったりします。
「サービス」と「経験価値」「商品」っていうのが結構似ていたりします。
サービスは自社の人が顧客に行う行為のこと、商品というのはモノ、経験価値は顧客が感じる感情なんですが、自分の商売の場合は商品というのがオリジナルで作るものが多く、半分人なんですね。経験価値もそこに影響してくるので、なかなか解釈が難しいのです。
あと「アクセス」というのは物理的なアクセスもありますが、例えば連絡しやすいとか、気軽に返事が来るとか、そういった顧客から企業への繋がり方も意味します。星野リゾートではこの「アクセス」を大重要ポイントとしてかかげ、ホームページから予約までを一番やりやすくする、というところを重視したそうです。なので星野リゾートのページを見てもらえばわかるんですが、非常にアクセスが楽な設計になっているんですね。それもなんか目からウロコですよね。参考までに星野リゾートのページを貼っておきます。
↑施設サイトなんかわかりやすいですが、予約ボタンがすぐ下にありますよね。
自分の会社はどのポジションを取るのか
要素の解釈は各々の会社に当てはめていけばいいと思いますが、では自社ではどこのポジションを取りに行くのか。あるいは伸ばすのか。
これはあんまり言いたくないんですけど、でも情報はオープンにするほど精度が高まると思っているので敢えて言いますが
・5点 サービス
・4点 アクセス
を狙っていきたいと思います。
サービスというのは先程も書きましたが「人」です。つまり社員であり、その対応力だったり気持ちの良さだったり個々の能力だったりする部分。これは最近ずっと書いてますが、社員教育の部分を強化していくところにも現れていると思います。このブレストなんかもそうですが、全社員で毎週ブレストやって、心の勉強会やっているような狂っている会社、他にはなかなかないと思うんですね。そのおかげかわかりませんが、顧客からは対応力が良いとか、早いとか、気持ちがいいとか、結構評判いいんです。これは社員自身も嬉しいと思いますけど、たぶん僕が一番嬉しいです笑。会社のメンバーが褒められることが僕の最上の喜びです。だからもっともっとこのサービス面を伸ばしていって、最高に気持のいい会社にしたいなと思っています。そうすれば今は謎解きを売っていますが、何を売っても勝てると思うんです。たぶん5点という圧倒的な状態にするには、もっともっと工夫や勉強が必要なんでしょうけど、トライする価値はすごくあると思いますし、永遠のテーマでもあるように思えます。
次にアクセスは、僕らの仕事って結構ホームページからの問い合わせが多かったりします。なので星野リゾートと同じようにホームページからのアクセスをもっと重視したいなと。今のウェブサイトじゃ全然ダメなので、作り変えていきたいと思っています。あとは連絡が取りやすい体制をもっと作りたいと思っています。うちの良さの一つとしてスピードが挙げられます。対応力が早い。これはサービスにも通じますが、顧客から繋がりやすい、連絡しやすい仕組みもちゃんと作っていく必要があるなと思いました。
社員のアイディア次々採用
ブレストをすると、なぜかあらぬ方向から色々なアイディアが出てきます。まさに宝箱みたい。今回も即実行するアイディアをご紹介します。
・アフターフォローのミーティングをスケジュールに組み込む
仕事を開始すると、やっているときは顧客と密に連絡を取りますが、終わったら終わりっぱなしということが少なくありませんでした。アフターフォローとして、イベントどうでした?のヒアリングが大事なのはわかっていても、終わったら次の仕事へ…と忙しくやっちゃうので、それなら予め予定としてアフターフォローのミーティングをスケジュールに入れておけば良いんじゃね?というアイディアです。これはめちゃくちゃいいと思ったので、即実行。予定タスクに入れました。
・ホームページにエンタメ性がない
確かにエンタメの会社のくせにホームページに遊びが少ないですね。これは改善します。はい(僕の仕事)。
・問い合わせ・リターンを早くする
先にも触れましたが、ホームページへの問い合わせのリターンを早くしたいですね。こちらは例えばチャットボットとか、チャットで回答できる仕組みも取り入れたら良いんじゃないかと思って調査中です。
ちなみに、この前NURO光を入れたんですが、これの導入のときに感動したことがありまして。それはLINEで色々答えてくれるんです。いわゆるチャットボットなんですが、途中から担当者に変わって、LINEで詳しくやり方を教えてくれるんです。LINEが良いのはログが見れること。電話だとすぐに忘れちゃったり、メモ取らなきゃいけないじゃないですか。でもLINEなら電話番号とかURLとか送られてくるし、言ったことが当然残るし、すごくやりやすかったです。あとよくある電話につなぐと何分も待たされるやつ。あれもLINEなら待たされるけど、電話かけておく必要がないので、あの苦痛は結構和らぎました。自社で導入するにはオーバースペックなので今は必要ないですが、これは他の会社でもかなり使えるんじゃないかなと思います。それこそ行政なんかもこういう仕組みはどんどん入れるべきですよね。行政はめっちゃ相性いいと思います。
社長がやらなきゃいけないと思ったこと
今回のブレストでは「戦略」という観点から大きな気づきを得ましたし、即実行できるものもいくつか見つかりました。そのうえで社長である自分がやらなきゃいけないことも見えました。それは、
他社の分析+自社の分析→戦略立案
というアタリマエのこと。これが社長の仕事だと改めて思いました。
すぐに戦略立てたがる傾向にある僕ですが、そこにはやっぱり他社の分析と自社の分析が不可欠。とくに他社。それを今年は意識していきたいですね。欲を言えば市場動向なんかも気にできたらいいですけど。
毎週戦略立案の時間をとって、デニーズで一人悶々と思想にふけっているのですが、毎週やってるからそんなに戦略なんか変わることはなくて、今日は特に考えることないなぁなんて思ってた日もあるんですが、そんな自分を殴り倒して、そんな暇があるんだったら他社の分析をしろと叱咤激励をしたいと思います。
大きい会社になるとそういう他社分析・自社分析も社員の方がやってくれるようになるんですかね? それが戦略チームなんでしょうか。
いずれにせよ、社長の考え方一つでほとんど決まってしまうので、自分の戦略パワーを高められるよう日々勉強であるし、市場や他社分析も今年は積極的に行っていきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?