第140回 ハイゼンベルクのメモ
ボーアは考えました。
「もう仕方がない。ここまで進んでいるのならー願わくば原爆が人類に使用されない事を祈るばかりだ」
ボーアはかつてハイゼンベルクから貰った原子炉のメモをオッペンハイマーや理論部門の長であるベーテに見せると二人は顔を引きつらせました。
「ハイゼンベルクは我々より1年も早く一段階原爆への道を登っていた」
更にその情報はシカゴにいるシラードにももたらされました。
「やはりドイツは原爆に向かっている。これではユダヤ人を絶滅させてしまう」
シラードの恐怖は頂点に達しました。実はドイツは、原爆の研究費の莫大さに打ち切ろうという話が内部で起こっていたのですが・・・
ボーアはローズベルト大統領に面会に行きました。
「原爆は米英ソで共有すべき」との意見で意気投合しました。そしてボーアはイギリスに帰っていきました。(続く)