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第25回 平清盛(1)
『平家物語』前半の主役であり、源光行が最初に仕えた平清盛という方はどんな人だったのでしょうか?10年前に大河ドラマで『平清盛』を放送した時に、特に関東地方からクレームの電話が相次いだそうです。「あんな悪人をどうして主役にするのか?」と。傲慢なイメージがついでいます。
でも実際には、人の前で家来を叱らない、寝ずの番をしている者が寝ていてもそのままにしていたと優しい一面も伝わっています。私が広島にいろいろ取材に行った時も、車窓から「清盛クラブ」とか「清盛神社」があちこちに見えて慕われているんだなあと思いました。
それもその筈、かつて「音戸の瀬戸」で、事故が多い狭い所を開削して安全にしてくれたのですから。
清盛は実は白河法皇の落胤だったという説があります。白河法皇の乱倫はひどく、ある時、源惟清の妻が美しいので惟清はじめ一族を冤罪で、伊豆の大島に流してしまい、人妻を自分のものにしたというのです。そして祇園に住まわせたので、「祇園の女御」と呼ばれました。これは今回の『鎌倉殿の13人』でも源頼家が家来の妻を奪おうとした時に、別の家来が弁護として使っていました。
ところで惟清以外は許されて(当たり前ですが、冤罪の連座なので)、その子孫が明治の文豪になったのですが、それは誰だと思いますか?
正解は・・・夏目漱石です!(続く)