合成着色料「赤色3号」の安全性をどう考える?— エビデンスと社会の認識の狭間で
米食品医薬品局(以下、FDA)は、2025年1月15日付で、合成着色料の赤色3号(erythrosine)に対して、食品や飲料、医薬品等に使用することを禁止すると発表しました(FDA.2025.1.15)。本件は、国内の一般メディアでも報じられており、SNS等でも注目を集めていました。
赤色3号は、古くから動物実験等で発がん性などの有害性が指摘されていました。
FDAによる今回の決定は、「動物やヒトにがんを引き起こすと考えられる物質は食品添加物として使用できない」というデラニー条項に基づく法的な措置とされています。一方、FDAは発がん性が示唆されているのは、ラットなどの動物を対象とした研究であり、人間に対する安全性の懸念について、質の高いソースは限定的との見解も示しています。
FDAの決定を受け、消費者庁は2025年1月17日付で「食用赤色3号のQ&A」のウェブページを更新しました(消費者庁.2025.1.17)。
今回の記事では、赤色3号の安全性に関する近年の研究報告をレビューしたうえで、人に対する安全性について考察してみたいと思います。
赤色3号って、どんな着色料ですの?
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