高齢ドライバーの死亡事故は過剰に報道されている！？

　高齢者ドライバーによる交通事故は、テレビ報道やインターネットメディア等で取り上げられる機会も多く、社会的な関心も高いテーマだと言えるかもしれません。
 
　一方で、日本のマスメディアが取り上げる情報の質は必ずしも高いとは言えません（Maeda W, et al.2022 PMID: 36397798/Okuhara T, et al.2021;PMID: 34815281）。
　とりわけ、子宮頸がん予防のためのHPVワクチンについては、保健当局の科学的根拠に基づく声明とは無関係に、日本のマスメディアは否定的な論調で報道し続けた事実があります（Tsuda K, et al. 2016;PMID: 27660235/Ueda N, et al. 2017;PMID: 29258972）。
 
　その意味では、日本のマスメディアは、社会的に関心の高いテーマを、偏った価値観や解釈で、過剰に報道する傾向性があることは否めないでしょう。
　今回の記事では、高齢者ドライバーによる交通事故が、マスメディアによって過剰に報告されていた可能性について、最新の研究報告を紐解きながら考察します。

増加する高齢者ドライバーと、事故リスクに対する社会認識