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作る人が集まる日。
陶芸教室の登り窯の焼成が終わり、いよいよ窯出しの日、約3000点もの作品を、大勢の人たちで一列になり、一つ一つ手渡しで運び出していく。
同じ工房に通っていても、タイミングはそれぞれで、ほとんどはじめましての方々。作品だけを持ち込んで焼成する方たちも含めると、この窯出しでしか会わない人もたくさんいる。
作家さんや、工業高校の専攻科の方々も。
そういう方々と、今日は。
作品を手渡ししながら、
「これかっこいいですね!」
「わぁ、かわいい、これ」
「素敵な色ですね」
と、感想を言い合いながらひと繋ぎになるこの日は、とても勉強になる。
こういう形かっこいいな!
この釉薬なんだろう!
こういうの作ってみたい!
と、手渡す間に作品をスキャンするように、丁寧に観る。決して落としたりなどしないように緊張感を持つあまり、その一つ一つを手に取って瞬時にスキャンする注意力で鑑賞していく。
一房を空けるのに、小一時間かかる作業だ。それが六房あったのだから、不思議とその列に連帯感がうまれていったりする。
隣近所の方々と、そのプロフィールをどちらからともなく交換しはじめ、作品の感想をお互いに漏らすうちに仲良くなりはじめたりする。
現に私は、専攻科の子たちと冗談を言い合うようになったし、彼らの人間関係のバランス(たとえば誰が一番年上で、誰がいじられキャラなのかとか、女の子の気の強さとか)も見えてきていた。
前後にいた、曽根さんと柴田さんとも結局、連絡先を交換するほどにまでなった。
要は、陶芸が好きな者の集まりなわけだから。
バイク乗りのミーティングだとか、漫画好きのコミケくらいの近さがあるのだと思う。「好き」の集まりは、まるで同じ屋根で雨宿りするかのごとく仲良くなっていく。年齢も性別も関係なく。
緊張したけれどワクワクが詰まった一日だった。
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以下は、私が四月から週末に通ったロクロ教室にて作った作品たちです。
思ってたんと違う…という焼き上がりが多数の中でも、綺麗な色が出てくれた!と嬉しくなったものもあって。やっぱりまた作りたくなった。
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※次回課題=鉄赤を完全に乾かしたあと
カイラギをさすこと
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「藤本くん、冬場もやれよ」
と師匠。
春を待たずに、作陶を続ける所存です。