痛いけど、気持ちぃ。
もっさんもっさんの寝ぐせ頭のまま、トイレで、常夏っぽい短パンとパンツを下げる時にうっすら気がつきはじめ、用を足し、トイレットペーパーを掴んだとき、そして、最後にパンツと短パンを引き上げたとき、それは確信に変わった。
あぁ、筋肉痛だわ。
昨日の早朝から、草刈り女子* の出動要請があり、蚊帳付き帽子に長靴を装備、首には絞り柄の手ぬぐいを挟み込み、カッポカッポ足音をならしながら歩いて現場へと向かった。
膝丈まで伸びた空き地の草むらを、電動草刈り機でウィーーンと刈り込んだ。作業は一時間半ほど、早朝とはいえ蒸し暑く、日が照りはじめればだくだくと汗がながれる。
透明な保護ゴーグルは汗でずり落ち、首の手ぬぐいは絞れるほどで、
「30分たちましたので、休憩をお願いします」
と声をかけていただき、蚊帳付き帽子をはずすと、風呂あがりのように髪はびしょ濡れになっていた。
手渡された冷えた麦茶のうまいこと。
日影で座って休み、口をついて出るのは「暑い暑い」ばかりかと思いきや、隊員の女性陣たちのお喋りは、息子の食欲から、一日にごはん何合炊く?え?朝ごはん食べないの?もたなくない?
ってか、二合ってありえなくない!?などと、留まるところを知らずパワフルで。
そろそろ作業に戻るころには、そんな雑談に笑いこけながら、意外に元気と、持ち場へともどる。
当の現場というのは、翌週に行われる「草刈り女子 第二期生 養成講座」の会場作りのため。
どうやら前回の反響がおおきくて、募集をかけるやいなや、定員いっぱいとなったという。
キてるね、これキてるよ。
「そら、一期生のマウントをとらんと!」
「そりゃ、同じTシャツ**を配られるなら、一期生は袖口折りあげていい、とか!?」
「そやそや、裾をインして着るとか!」
「おん?あんたら二期生やのに、なに裾出しとんのや...ってすごんだりするやつ 笑笑」
「理不尽なやつー!!
そんなん昭和の中学生の上下関係やから!」
くだらない冗談が面白すぎて。
母でも女性でも中年でもありながら、そんなこととは関係なしの「草刈り女子隊」が楽しい。
腕や肩の確かな筋肉痛とともに、完全なるボランティアで、サ活くらいの汗を流したこの日、そのまま家の脇の林道(公道)を草刈りし、気になっていた歩道をスッキリさせた。
スッキリ!!
身体はことあるごとに筋肉痛を実感しながらも、気持ちが晴れやかなのはなんだろう。
それはきっと、奉仕の力。
やれることをやっただけだけれど、それが誰かしらの役にたっている、とわかる充実感。
あぁ、そうなんだ。
人の役にたてたこと。
それって、とても満たされる。
汗だくだくになりながら、それでもこの区画は刈ってしまっておきたくて。その林道は歩くのに、やっぱり気持ちよくて。
もっさんもっさんの寝ぐせ頭で、朝イチの用を足したあと、筋肉痛に思いを馳せ、なんだか勝手に清々しく、久しぶりにモーニングコーヒーをドリッパーで落とした朝だった。
こんなふうに汗をかいて働くのは、
気持ちがいい。
パンツあげるたび、
筋肉痛を感じるたび、
なんか気持ちよかったりした朝だった。
🌱🌱🌱
草刈り女子*
電動草刈り機を女性でも気軽に使えるようにと養成講座を受講したときのもよう↓↓↓
同じTシャツ**
草刈り女子育成講座、座学と実技をおえた受講生には、若草色の「93」とロゴの入ったTシャツが渡される。今後の草刈り活動において、その93Tシャツはいわばユニフォームとなるのである。
なお、今回の現場にもゆるふわブラウスの女子は一期生として参加していた。のだが、会場作りに関しては例のTシャツは着ておらず、翌週の「二期生養成講座」に着ていきまーす♪と、またもブラウスに日傘をさして現れたのだった。しずく型のゴールドのピアスに、白の厚底スニーカー。
「ちゃんと長靴もってきたもん!」
と、現場からほど近い家の彼女が言う。
私はといえば、同じ団地内とはいえど、歩いて五分弱かかるところを、長靴カッポカッポいわしながら来たんですけれどもね。
まぁ、でも、かわいいから、許すよね(/// ^///)
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