見出し画像

Yell note :Page2 舞台「メイドランカー!詰り蹴落とし跪け乙女」感想

外国の人から見た日本文化ってたまに誤解されてることあるじゃないですか。サムライハラキリとかスシいつも食べてそうとか。
秋葉原にいるジャパニーズメイドさんもアニメやマンガのおかげで「メイド服の下に大量の銃器や刃物を隠し持ってて特殊部隊並みに強い」と思われてるんじゃないかと危惧しています。

そんなわけで今回は11月23日~27日に開催された舞台「メイドランカー!詰り蹴落とし跪け乙女」の感想記事になります。メイホリック主催の舞台は今年8月のソルシレ再演以来2度目の観劇だったので今回も気合を入れて書いていきますよ~。最強メイドを決めるメイドワールドカップの開幕だ!

なお、登場人物が多いことからかなーり端折った感想になってます。あなたの推し役者さんに触れてない場合は申し訳ナス!
そしてネタバレがっつりしていきますのでこれから配信アーカイブを視聴する方はご注意を!

1.参加イベント概要

・イベント名
舞台「メイドランカー!詰り蹴落とし跪け乙女」
・開催日時
2022-11-26 (土) 13:00~15:10頃(都合によりアフタートークは不参加)
・開催場所
CBGKシブゲキ!!(東京都)
・11月26日13時公演の出演者(順不同、敬称略)
馬嘉伶まちゃりん、武藤小麟、植野祐美、中川梨花、西垣有彩、平原ゆか、根本流風、城崎桃華、とよたかなみ、立花咲希、白河みずな、山本菜摘、十河茉由、なるかみまりん、磯俣愛、末吉咲子、小山百代、赤尾ひかる、村上まなつ、夏野香波、清水凜、橘莉衣、森田麻莉、広瀬ゆうき
・syuの位置
7列目中央指定席
・備考
私が行った回は当日他に様々なビッグイベントがあったにも関わらずなんと満員御礼ということで。メイホリさんの地力を感じさせてくれました。

2.本編感想

①あらすじ

「最上級の最底辺は一体だれ?」
新たに創立されたリゾート王国<パラディソ>の 使用人の採用試験が全世界に向けて発表された なんと年棒は¥500,000,000!
若い女性であれば誰でも応募可能な このビッグドリームに、世界中から「メイド志望」の やばい女どもが<パラディソ>に集う
その採用試験の内容は.. 「奉仕人たるもの誰より底辺の者であれ」 という、歪んだスローガンに突撃していく “最底辺の人間決定戦”だった!!
最も下を目指し、骨肉の争いを繰り広げる メイド一色&血みどろ一色の、ガールズ・コメディ・バトル!

演劇ユニット【メイホリック】公式ブログ より引用

……ちょっと何言ってるかわかんないです(思考放棄)。

②ご奉仕開始!(ストーリーについて)

5億円という年俸に目がくらみ女王クラッスラ(演:小山さん)が主催した試験メイドランカーに挑むマキ(演:馬さん)・ツツジ(演:中川さん)・アセビ(演:武藤さん)の3人だったが、新興国パラディソには世界各国からライバルが集っていて…という導入。

最初のうちは上記あらすじの通り集まったメイドさんたちによる蹴落とし合いが始まったと思ったわけですよ。実際劇中でも「これって日本で流行ってるデスゲームみたいだよね?」という台詞もありましたし。
中盤にはギスギスした雰囲気の中でヴァンダ(演:白河さん)が「冗談じゃない。私は部屋に戻らせてもらう!」「もうこんなの耐え切れない!試験から降りる!」と言い出し始めるなど、ついに脱落者か?!と思わせる展開も。まあセレプロだったら全員で落選を選ぶんですけどね

しかしそんな流れは私たち観客を欺くための巧妙なブラフだった……!

実は第二王女カランコエ(演:赤尾さん)とアセビがクーデターのため裏で結託しており、受験者の穏健派を束ねていたアンサス(演:植野さん)もあらかじめアセビに雇われていたのだ!な、なんだってー!!

そんなわけで後半はクラッスラ派とカランコエ派の対立を軸に、第三勢力としてジニア王子(演:末吉さん)についたマキたちの奮闘が見どころになります。
第一王女でYouTuberなサイネリア(演:村上さん)はメイド神であるメイド・イン・アビス(演:広瀬さん)を召喚したりやりたい放題してました。でもトラブルの現場を世界に向けて生配信することで事態の収拾を図るっていうのも現代っぽいですね。

③MIA(Most Impressive Actor)

度し難いやつ(Made In Abyss)でもなくて作戦行動中行方不明(Missing In Action)でもなくて、印象に残った役者さんを何名かご紹介。

・クラッスラ(演:小山さん)
以前某アニソンフェスで小山さんが出演していたのを見たのですが、舞台劇での演技を見たのは初めてでした。何となく知識として舞台出演が多い役者さんだとは認識していたものの、実際の演技を見て一気に引き込まれました。
女王としての貫禄や傲慢さ、酸いも甘いも嚙み締めた女性としての強かさ…などなど、小山さん自身は20代とのことですが声や動作に皺が刻まれているような錯覚さえありました。だからこそアセビと対峙した時の懺悔の言葉がより際立っていて、どれだけの辛酸を舐めてきたのか想像力に訴えかけるパワーがありましたね。

・カランコエ(演:赤尾さん)
小山さんが成熟さを表現していたならば、逆に赤尾さんは未熟さを存分に発揮していました。某アサルトなリリィでお馴染みとなっている純粋無垢な演技ではなく腹黒幼女という役柄だったのでかなり新鮮でしたね。
特に印象的だったのはジニアに制止されそうになってヒステリックに抵抗する場面。「うるさいうるさい!」と繰り返す姿が癇癪を起こす子供そのもので、思わず顔をしかめてしまいました。
そしてたまたまだと思いますが、赤尾さんが小柄だったおかげで末吉さんとの身長差が発生していて本当に幼い兄妹っぽかったのが微笑ましいポイントでした。

・アンサス(演:植野さん)
正体を現した後の「イエッサー!マイマスター!」というドスの利いた台詞やDevil May Cryスタイルの剣と銃捌きがあまりにカッコよすぎて…!!
対ティソル(演:磯俣さん)戦や対カレンデュラ(演:十河さん)戦での立ち回りは『男子はこういうの好きでしょ?』という要素てんこ盛りの燃え燃えキュンでした。
途中で(何のお茶飲む?という流れで)「…わたしはギャランティー」といった小ボケやエピローグでの雑巾がけ「筋肉痛になっちゃうだろ!」など、シリアスな中でのコミカルさがよりキャラクターを引き立たせていました。

・カレンデュラ(演:十河さん)
ロボだこれー!!!(ガビーン)

メイドロボといえば①
メイドロボといえば②

④全体感想

ストーリーは中盤で大きなどんでん返しがあるものの複雑ではないですし、マキの奮闘やアセビの復讐などメインのテーマがはっきりしているので気軽に見ることのできる舞台だったと思います。
まあ単純に「メイド服着た可愛い女の子いっぱい見たいやん??」という欲望ダダ漏れ真っ当なニーズに応えてくれた作品でもありますが、特に参加者であるメイドさんたちをそれぞれの役者がどう味付けするかというのもファンにとっては大きな見どころだったのではないでしょうか。

それにしても最底辺からの成り上がりはかくも厳しいというか、年俸5億円ってプロ野球のトップ選手相当ですもんねえ。
後日談の様子を見るに将来的には王子の妃の座を巡って再びメイドさんたちがど突き合う未来が見えちゃいますが、今のところ一歩リードのマキは果たして正妻の立場を守れるのか?!といったところでしょうか。
『底辺メイドのわたしが年下王子から求婚された件』っていうタイトルのレディコミありそう。

3.余談

今回の舞台は登場人物がかなり多くて、私の計算違いでなければ同じメイドさんの格好した女性が18人出てくるわけですよ。

……役名と顔が覚えきれない!!!!!!

なんせ私の記憶容量はフロッピーディスク程度(1MB)しかないので、最序盤で覚えるのを諦めて国名とメイド服に縫い付けられた国旗で記憶してました。日本、アメリカ、イギリス、中国、台湾、シンガポール、インド、フランス、モナコ…でしたっけ?

役者さんの中で数名は他の機会にお見かけしたことがあるので何とかなりましたが結構最後の方まで混同していて、観劇後にパンフを眺めてようやく答え合わせができた状態です。

そして後から気づいたこととして役名は全員花の名前が元ネタになっていたようで、「出身国と名前の雰囲気が微妙に違うような…?」と思っていた疑問が解消してよかったです。
ちなみに「アセビ」について調べてみたところ……

アセビの英名は「Japanese Andromeda(ジャパニーズ・アンドロメダ)」です。アンドロメダとは、ギリシャ神話に登場するエチオピアの王女。神々の怒りをかって岩にはりつけられていたところを英雄ペルセウスに救われた人物です。このペルセウスとアンドロメダのエピソードに由来して、「犠牲」「献身」という花言葉がつけられました。

https://horti.jp/25896  より引用

名前の時点で実は王女っていう伏線張ってるやーん!って話なんですが、「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」なやつだったりするのでしょうか。また新たな疑問が生まれてしまった。


この記事が参加している募集