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そういう星の下に生まれた

高校2年生頃から明確に意識し始めたのが『舐められるキャラ』というもの。

このぐらいの年齢というとヤンキー不良陽キャ、そして陰キャというものに段々別れていく。
私はというと陰寄りではあったがいじられキャラもあり面白枠のようなところに入りなんやかんや楽しくは過ごせていた。

しかしこの時期から全く関係のないお互いに知りもしない相手なのにすれ違う時に絡まれたりぶつかられたりするようなものが始まっていった。

食堂でチケットを買いお盆を持って列に並んでいたらいきなりお尻を笑えない力で蹴られクラスメイトの過激ないじりか?と振り返ったら全く知らない人だった。そんなことが毎日続き今度は段々覚えられこれまでは何となくだったものが明確に昼に食堂に来るあいつ虐めようぜ、というふうに変わっていきとても食堂にフラッと行けるような感じではなくなっていった。

それから学校の廊下とかでもすれ違う時にまるで知らない別のクラスの集団にぶつかられたりすれ違ってからも振りむかれながらゲラゲラと笑われたりという日々が始まる。
なぜこうなったのかまるでわからない。ただ単に私は殴りたくなる虐めたくなるようなオーラを纏っていて加害側はみんなしてそれをしっかりキャッチできるのか?としか思えぬ状況。

自分のクラスでは平和なもので、その状況を説明してみたが皆私同様なぜそうなるのか理解できない様子。

では実験をしてみようと文化祭にて体育館がパイプ椅子だらけになっている状態で体育館の中をぐるっと歩いてみることに。
パイプ椅子に思い思い座って談笑している人たちの横を通り抜けまた元の位置に返ってくるという実験。結果は本当に面白いほど強面連中からガンを飛ばされ、会話もやめて明らかに威嚇されたり。友だちはそれらを観察して結論として『びっくりした!なんでだろね??』

ここから分かる恐ろしい話が
友だち曰く別に私が挙動不審であるだとか、むしろ警戒して意識して歩いている様子もなかった、なのに、ただ存在しているだけでなぜこうも引っかかるのかというところである。
これは未だに分からない。

ここから大学へと進んでいくのだが理系の大学に入りグループで実験をすることも増えていく。
2人班で相方がダンス系でタバコ吸いまくるような所謂ヤンチャな人だった。
舐められるのは嫌だし普通に接していたはずだがあっという間に『お前やっとけ。俺はタバコ吸いにいってくる。教授に聞かれたらトイレ行ってることにしとけ』ともう実験のほぼ全てをさせられていくことに。ここで口ごたえしたらどんどん立場が悪くなるのも分かるがゆえに何も逆らえなかった。
ある年に4人チームで実験を進めることになりその時のメンバーも私は運が悪く仲良しヤンチャ組3人と私、という始まる前から地獄が約束されているような班だった。案の定基本的に言われ放題やられ放題。顔をあわせればいきなり容姿いじりから始まり何か言葉を発したら言い方ひとつでいちいちいじくり回される。
愛のあるいじり、愛のないいじりがありこれはまさに後者である。
基本的に面倒くさいことはお前がやれというのがおなじみになってくる。
私も良い加減抵抗してみようと思ったがそれがまたよくなかった。ちょっと反論したら『しらこ笑』『めっちゃしらこいねんけどこいつ笑』と3人がかりで大批判。あまりにも腹が立つから一度本気でブチギレてみようと思った。すると『こっわww』『冗談やんww真に受けんなやwwきしょいわwww』とより3VS1の構図となり状況は悪化。もうその辺りから抵抗はやめた。
実験のデータやレポートは代表が1人管理するようにとのことで問答無用で私になり、はいはいわかりましたと受け入れた。そのデータやレポートを確認していると我々の班の計算方法が間違っていたことに気がついた。自分のは治したがこんな奴らのまで直してやる義理はないと黙っていたのだがどこかで嗅ぎつけたのか連絡が来て『なんか間違ってたんやろ?お前が全部持ってるし丁度ええわ。全員分なおしといてな?』と。友だちが手伝ってくれて全員分修正したな。
次の回で代表者が全員の前で発表ということになりこれも問答無用で私が発表者にされた。私は人前が苦手で発表は辿々しいものになる。頑張ってみんなが嫌なことを代表としてやってあげたのに待っていたのはまた馬鹿にされいじくり回される。

家に帰って母さんにこんな話をした。
『世の中の殺人事件の全てが加害者が悪いと思えない。一定数は犯人こそが被害者である。俺は毎日毎日こんな目にあって最後もこんな仕打ち。人を殺すには十分過ぎる程のやるせなさと怒りがある。許せない。刃物を忍ばせて彼らの前に行き、まずは1人首を切ってやる。その次はお腹。もうイメージもできてる。』
そんな話をした。母と話しているうちに気が紛れ結局そのような過ちを犯すことはなかったがまさに真理であると思った。

大学時代が終わり社会人になる。病気をしたりと色々あったとはいえそれなりに人間関係は平和だった。しかし4年目になった頃から雲行きは怪しくなってきた。
高卒の先輩が別の支部から異動してきた。それがこれまでのトラウマを思い出させるかのような問答無用で私を虐めるタイプの人であった。タチが悪いのはそれに呼応するように後輩たちも突然その先輩に流されて『そうだ!たしかにあいつなんか気に入らない!』と気がついて今は集団で悪口を言われたり私物に悪戯されたりと社会人とは思えぬイジメが発生している。
環境が変わっても常に同じところに私はいる。なぜなのか。不器用ながら色々と一生懸命にやっている。横柄な態度を取ったりズルしたりハラスメントをするようなこともない。しかしろくでもない連中に目をつけられやすい。舐められ、虐められる。

ここまで長かったがとにかく思い当たる節が常にないのだからこう思うしかない。
そういう星の元に生まれたのだと。
世の中にどれほど私と似た人がいるだろうか。いじられキャラには何しても良いというわけではない。
私は自殺することもあり得るし追い詰められ最後っ屁として殺人を犯すことだって考えられる。どう考えても人生は狂ってしまう。そんなことをなぜ彼らはできるのだろうか。一生イジメ側の気持ちというものは理解できそうにない。
それでも人生は続く。私は望まれて産まれてきて、両親に愛されてここまできた。
この運命を受け入れ強く生きるしかないのだ。

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