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人の心に、深く響く文章を書くには?
先日僕の文について、ある読者の方が、こんな嬉しいフィードバックをくれた。
「(翔は)人の心に深く潜るような書き方をしていますね、一体どうすれば、そんな書き方ができるのですか?」
今度初めて本を出すような、作家としては新米というより玄米のような僕だけど、今日は、有名なベストセラー作家に教わってきたことを、そのまま紹介したいと思う。
当然ながら、僕も最初にそのような「人の心に深く潜るような」書き方が出来たわけではなく、やはり、心について深く学ぶ講座をたくさん受けてきたことが、文に響いてきているように思う。
文には、書く人のエネルギーが乗る。
書き手の熱量や、内面がダイレクトに反映されるので、どんなに他の人の文をコピーしても、読む人が読めば、違和感しか残らない。
僕は文を書くうえで、心がけていることは1つだけある。
それは、自分のなかで「偏屈な読者さん」をイメージすることだ。
自分が書きあげた1つの文を、僕の中にいる偏屈な読者さんに読ませる。
すると
「これは、あなただけがそう思ってるんじゃない?」とか「これは常識だよ」
といった形で、別の角度からツッコミを入れてくるのだ。
それらを修正していくと、だいたいの人がそうだよね、と、うなずいてもらえる文に近づいていく。
人は、自分が「そうだよね」と共感できる文でなければ、読み進むのをやめてしまう。
読み手のタイプは実に様々だ。
ポジティブな人もいれば、ネガティブな人もいる。
自分を責める人がいれば、相手を責める人もいる。
この制限された世界では、考え方が2極のどちらかにに別れることがほとんどだ。
それぞれ全員が別次元の価値観を持っているなか、その全タイプの人が頭にスッと入ってくる内容を書くのは、簡単ではない。
たとえば、ポジティブに生きるのが素晴らしいと思っている読者に対して
「朝雨が降った時、つい気分が暗くなりますが・・・」という表現を書けば、それを読んだ時点で共感できず、だんだん文から離れていき
逆にネガティブに生きるのが素晴らしいと思っている人は
「夢を叶えるためには、毎日笑顔でいることが大事なんです」という表現を書けば、同じく共感できず、だんだん文から離れていくという具合だ。
人の在り方のどれもが、いい、悪いは本来ないはずなのだが、多くの場合、それぞれに「自分の今の在り方が正しい」を、頑なに信じて過ごしている。
2極に分かれた価値観のどちらも、それぞれに素晴らしさがあり、どんな生き方もOKと思えるようになると、いろんな人に共感してもらえる文を書くことができる。
人の心に深く潜る文というのは、2極の価値観を持つどちらの人も、両方が納得するところにしか存在しない。
でも、それは自分自身がその両極をある程度、行き来できるようなニュートラルな心の状態でなければ、そうした文を書くのは難しいのだろう。
だから、普段からいろんな人と会って、自分とはまったく異なる、その人の考えていることを理解しようとすることが大事なように思うのだ。