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都道府県魅力度ランキングと、コスパの高い街

ミクロ経済学には「需要と供給の法則」というものがある。


☆☆☆



通常、競争市場において、価格を上げてやると、顧客は値上げを嫌がり、売上数量が減る。

逆に、価格を下げてやると売上(販売数量)は、増える。

こんなの当たり前だろと人は言う。

果たしてそうだろうか。

日本人は経済学の基礎理論を理解している。そう豪語する。

経済学を学んでいない、履修していないのに。

また、経済学を学んでいないため、東京の人気ラーメン店などは、2時間待ちなど経済非合理な行為を客にさせる。

2時間待ちのラーメン店のラーメンの価格を200円上げてやる。

すると値上げを一部の客が嫌がり、30分待ちに改善される。それでも席は埋まったままだ。

値上げを嫌がり並ぶ客が少し減る。

この場合、ラーメン店の売れ行き(販売数量)はやや減るが、売上金額総計と利益のどちらもが増える。単価と利益率が上昇したためだ

多くのラーメンを売る必要はないのだ。

売上も利益も増えるのに、長蛇の列を保持し、利益を減らす、忙しい!忙しい!と店員は意味不明な奇声を上げる。

価格を上げてやれば、売上・利益共に増え、販売数量が減り、忙しくなくなるのに。それをやらない。

経済非合理である。意味が理解できない。

みなさんは正しい行為をしているとただただ常にいつも通り勘違いをしている。恒久に。

需要と供給の法則が適用できる競争市場というものは、その条件の一つに、情報がすべての買い手側(金を出す側、需要サイド)に行き渡っているという前提がある。

が、しかし、そんな経済状態の市場などほぼない。現実にはない。

みなさんは自分がわかっている人間だと言う。

自分は馬鹿じゃない。すべてを知っていると日本人は言う。

果たしてそうだろうか。散布図を見てて私はそう思った。

日本人は非合理である。




47都道府県の物価と収入の散布図

出典:SNS・X

この物価と収入の都道府県別散布図において東京は適切である。

なぜならX軸の収入が全国平均(0,0)よりずっと多いのに対し、Y軸の物価も全国平均より同程度高いためだ。

グラフを良く見ると、厳密には、東京はX>Yである。

横軸のXの方が縦軸のYよりやや大きい。右に伸びている。つまり、東京は物価以上に賃金の高い街である。全国の若者が集まるわけだ。

需要と供給の法則が完全適用されるならば、X=Yとなり、(0,0)、(5,5)、(-3,-3)と斜め45度の斜線が引かれ、そこに各都道府県が規則正しく分布されるはずだ。

なのにされない。

需要を増加させる因子、ブランド、魅力度などのバイアス(心理学用語。偏りって意味)が掛かるためだ。

つまり、魅力的な街と日本人から認識されている都道府県は、一部の人々がコスパを度外視するため、Y>X(物価は高いが賃金は安い街)に引っ越すという経済現象を起こす。オシャレな街がそれ。

地方の若い女などが横浜のベイブリッチとか臨海公園とかに憧れて、わざわざ物価は高いのに賃金の安い(コスパの悪い)神奈川なんかに住み着くのはそのため。

上のグラフの通り、神奈川県はY>Xであり、X軸の上昇分よりY軸のそれのほうがずっと大きい。上の方にある。

つまり賃金は安いが物価の高い街に自分からレミングが谷底に落下するかの如く、ドツボにハマる。自ら貧しくなるために努力する。

みなさんは自分が適切で正しい判断を下していると言うが、実は下してはいない。

ほとんどの日本人が常に何等かのバイアス(偏った情報、たとえば都道府県魅力度ランキングなどの情報)を取得し、バイアスを増加させていく。

ネットのタダの情報を取得し、よりアホになる。

偏った恥ずかしい大人になる。

では、経済学的に思考していこう。

使うのはミクロ経済学。つまり、希少資源を自分のものにするための学問。金・金・金だ。

快適さ。風光明媚は無視し、金のみで思考する。

するとこうなる。



需要と供給の法則の都道府県別パラドックス・シート

出典:同上

さて、4面に分けて各都道府県と賃金の関係を説明していく。


都道府県と賃金の関係

  • 物価も賃金も高い都道府県:右上の範囲。X>0,Y>0が①である。①の範囲内ならすべて適切なのではなく、上へ行くほどコスパの悪い街に該当される。具体的には神奈川県はX軸の伸びに対してY軸がより高い位置にある。賃金は全国平均より少し上程度だが物価は全国で2番目に高い。よってコスパが果てしなく悪い、人気のある都道府県ということ。その逆(コスパの良い街)が大阪で、物価は全国平均より少し高いくらいなのに、賃金(X軸)は、全国3位の高さ。大阪府はコスパの良い街。住みたい人が神奈川と比べて少ないから。

  • 物価も賃金も低い都道府県:物価も賃金も低いのが②。X<0,Y<0の街。横に伸びれば伸びるほどコスパは悪い。沖縄県は都道府県魅力度ランキング上位の常連県であり、そのため、物価は全国平均よりやや低い程度だが賃金は全国最低である。安い賃金でも人が集まってしまう人口増加県。皆が憧れる街ほど(ブランド力のある街は低賃金・物価高でも皆住みたがる)、需要と供給の法則は情報の非対称性の基に適用されず、非合理となる。風光明媚と引き換えに我慢して住む、生活水準の低い街。それが沖縄県。

  • 物価は高いが賃金が低い都道府県:ここはもっともボトルネックなセクター。③。経済非合理県。物価は全国平均より高い。だが、賃金は全国平均より低い。需要と供給の法則が適用されない都道府県。長崎は沖縄ほどではないが、悲惨。それでも長崎から出られない何かがある街。埼玉と千葉はコスパが悪いように見えるが、実は収入は東京のため(毎日東京の会社に通勤してる)、逆にコスパはかなり高い。どちらかと言うと千葉のが物価が安い。なぜなら、埼玉のほうが通勤至便で人気だから。埼玉は電車で5分で東京に行ける便利タウン。魅力度ランキング下位県。名より実を取る県。埼玉は東西に東京と広く接している。しかし、千葉は南北に少し(浦安市とかほんの少しだけ)東京と面しているため、通勤時間が長くなり(これは神奈川もそうだが、神奈川は千葉と異なりブランドがある)、そのため、需要と供給の法則が適用され、埼玉より不便なことから東京に通勤するため千葉に家を借りる人が少なく、不人気であり、物価も安い。お得タウン。千葉と埼玉の選択は、通勤時間の短縮を取るか、物価安を取るか。ただ、和歌山とか島根とか山形は東京に通勤できないため悲惨である。

  • 物価は安いが賃金は高い:良い意味でのボトルネックタウン。都道府県別魅力度ランキング下位常連県(笑)。それが④。X>0,Y<0の街。物価は全国平均より低い。なのに賃金は全国平均より高いのが特徴。一言で言うとコスパが高く魅力のない(と日本人から認識されている)街。その最たるものが物価は全国平均以下なのに賃金は全国2位の愛知県。不人気で生産拠点(米とか酪農とかやってる県、栃木とか)、がここに該当する。生産拠点。物価安いのに賃金高い。なのにそれを知っている人が居ない。ブランド力ない。情報の非対称性(知っている人が一握りでその状態が維持されるミクロ経済学のいち法則)がずっと適用されている県。お得県。コスパのいい街。生活水準高い。が④。都道府県別魅力度ランキング下位の街常連。いつも最下位の北関東。茨木や栃木や愛知。不人気ほどそこに住む街の人たちは生活水準が高い。金持ってる。

ちなみに2024年都道府県別魅力度ランキングはこちら。



2024年度 都道府県別魅力度ランキング

出典:地域ブランドNEWS

人類最強コスパ県こと群馬、愛知、栃木、茨木が下位。しかも常連。

んで、生活苦の沖縄と神奈川が上位の魅力県。

こうやって知能を没落させていく。

これが現代インターネット。

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(おしまい)


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