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スマホで撮れる写真、一眼レフ・ミラーレス機でないと撮れない写真

前回の記事で最新のスマホやiPhoneと、一眼レフカメラで撮った写真の違いを書いた。


☆☆☆


書いたは良いのだが、一つだけ失念していたことがあるため、ここに書き足しておく。

写真撮影に興味のある方、役立てていただけたらと思う。

価格comではよく業者の方が匿名で、一眼レフカメラならではの大きなボケを生む美しい写真を撮りたいなら、フルサイズのカメラを買いましょう。

30万円するカメラを買えば大きくボケます。

綺麗な写真が撮れます。

などと平気で嘘を付く。

ぶっちゃけ1万円のカメラでも綺麗な背景のボケを生む写真は撮れる。

プロがよく警鐘を鳴らしているのもここ。

質が悪いのは、価格comで匿名の業者が言っていることも、あながち間違いではないところだ。

スマホやAPS-Cやマイクロフォーサーズのセンサーより面積比が2.25倍や4倍と大きいフルサイズCMSOセンサーを搭載したカメラのほうが、確かによくボケる。

これは正しい。

しかしボケを生み出す要素はセンサーサイズだけではない。

これは写真専門学校で習う参考書を買って読めば分かる。

買わずともここに書き起こしておく。

一眼レフ特有のボケの作例と、この様に劇的な写真を生む大きなボケの出し方一覧はこちら↓だ。


■ボケの作例

出典:ガンレフ

この様に背景を大きくボカす条件を下記に記す。


■大きなボケを生む条件

  1. センサーサイズが大きい

  2. 焦点距離が大きい(他が同一条件なら、広角より標準、標準域より望遠レンズのほうが、よくボケる)

  3. F値が小さい明るいレンズを使う

  4. 被写体に近寄って撮る(近接撮影だと背景は途方もなくボケる)

  5. 被写体の背景を近くではなく遠くにする

これらの条件のうちいくつかを満たせばボケる。

作例の様な写真が撮れる。

全部を満たす必要はない。

スマホのようにセンサーサイズが小さくても、被写体に近寄って撮ればボケる。

要は撮影者の技術である程度補完はできる。


確かに、マイクロフォーサーズは他の条件が同じなら、フルサイズと比較すればボケは少ない。

同一画角において焦点距離が2分の1になるためだ。

しかしマイクロフォーサーズはフルサイズより被写体に近づいて撮影することができる。

マイクロフォーサーズなら米粒の拡大写真なども撮ることができる。

よって条件次第ではフルサイズと同じ程度にボカすことは可能である。

マイクロフォーサーズを使って等倍撮影(マクロ撮影)をすればいいだけである。

で、書き忘れた望遠レンズについて。


基本的に超広角や広角レンズはパンフォーカス(ピントが全面に合う)ため、ボケ難い。

逆に望遠レンズは被写界深度が非常に浅いため、背景はド派手にぼかすことができる。

望遠レンズを装着させ写真を撮ることは、レンズ交換式一眼レフカメラを使う特権であると言える。

私が失念していたのは、望遠レンズを持っていなかったから。

1本も持っていない。

レンズ1本20万円以上するし。1.5kgもするし。

ほんとうに担いで撮影地へ向かわないといけないためだ。

そのため恩恵も大きいのだが、持ってないため失念していた。

ちょっと比較画像を貼っておく。

まずは、iPhoneで撮った綺麗な写真から。


■最新のiPhoneで撮った桜の写真

出典:Twitter・X

iPhoneも写真機としての基本は同じのため、被写体に寄って背景を遠くにすれば、センサーサイズが小さくとも普通にボケる。

撮影技術でできることはたくさんある。

また、この様に標準域で撮ると、目で見たものと同じ大きさ、同じ視野角で写真が撮れる。

よってその人の記録を見ることができる。

その人が見たものがそのまま同じサイズ・同じ視野で撮影されるためだ。

標準レンズが写真の勉強になるのはこのためである。

iPhoneは良いレンズを使っていないため、右下のボケは少し汚いが、写真全体として見ればかなり良い写真である。


標準レンズとは、あの日、あのとき、私が見た世界。

人間がぼんやりと見るともなしにモノを見るときの視野角46°のレンズ。

人の肉眼と同じ視野範囲。そして肉眼と同じ大きさ。

あのとき、私の見た世界。

それが標準レンズ。

眼で見たときと同じ大きさ、同じ画角の写真を撮ることで、自分が当時なにを見て生きてきたのかが分かる

素晴らしいことだと思う。

自分がスマホを推奨するのはこのためである。

日々ポケットに入れておき、標準域で撮る。

眼で見たものがそのままのサイズで撮れる。

1年前2年前自分が何を見て生きてきたのかが分かると言うものである。

標準レンズは人生を記録できる。

標準域は圧縮効果・遠近感どちらも出しにくい。

つまり劇的でダイナミックな写真が撮れない。

実は標準レンズは非常に難しいのである。

その平凡でただただ私の見た世界がそのまま写し出されてしまう。

何の特徴もない写真世界において、どのように創意工夫を施し、人をハッとさせる写真を撮るのか。

標準域は考えなければ良い写真は撮れない

眼で見たままの平凡な写真が連発される。

だからこそ標準レンズは写真の勉強になる。

何も考えずともド派手なボケを生む劇的な写真は標準域では撮れない。

だからこそ人は努力する。

標準レンズはすべてを撮れる。

スナップ、物撮り、ポートレート、風景、スポーツ、鉄道、野鳥、植物。

撮ろうとすれば何でも撮れる。

そんなレンズである。

しかしすべての被写体で80点の写真しか撮れない

何でも撮れるがすべて特徴のない平凡な、ただ見たまんまの世界が写し出される。

だからこそ人は努力する。

どうしたらもっといい写真が撮れるのか。

難易度が高いからこそ人は努力する。

標準50mmレンズは、筋トレレンズ。

APS-Cにおける35mm。

マイクロフォーサーズにおける25mm。

これが標準レンズ。

標準域がある以上、個人的にはスマホで全然問題ないと思っている。

写真上達の近道だし。

では、カメラでしか撮れない、または、取り難い、望遠レンズを装着したときの一眼レフカメラにおける同じ桜の写真。

どんなモノが撮れるのか。

撮れてしまえるのか。

標準をマスターした人が撮る画とは、どんなものなのか。

それがこちらだ。


■一眼レフカメラに望遠レンズを装着したときの作例

出典:ガンレフ
出典:ガンレフ
出典:ガンレフ

背景が異次元の如くボケる。

被写界深度が針に糸を通す如く狭いためである。


これらは高価なカメラで撮影されたものだが、別に、フルサイズで撮らなくてもド派手に背景をボカすこと自体はできる。

中古1万円で売ってるマイクロフォーサーズ機でも望遠レンズで同一焦点距離で撮れば(同一焦点距離だと、センサーサイズの違いから35mm版換算で焦点距離は2倍になるのだが、この際、技術的な説明は省く)、フルサイズの30万円以上するカメラと同じだけボケる。

このように。


■小さなセンサーのカメラで撮った写真

出典:ガンレフ
出典:ガンレフ
出典:ガンレフ

この様に1万円くらいで売ってるセンサーの小さなカメラでも大きくボカすことは可能だ。

要はレンズ次第。

F値と焦点距離が条件に合えば、センサーサイズが小さくともボケる。

ただ、皆さん高価なカメラを使ってますね。


その理由は動体AFと連射にある。

動きモノであるウグイスを撮影するには、1秒間で12連射程度シャッターを切れないといけないし、AFスピードが早くないとピントが合わない。

合掌する前にファインダーの外部へと逃げてしまう。

AF測離点も中央9点程度では捉えるのが難しく、51点AFや61点AFのできるカメラが必要となるため、動きモノを撮る人は高価なカメラを使うことが多い。

画質は同じ。

デジタルなので新しければ新しいほど良い。

主にISO感度のノイズ処理が。

ISO感度を上げてシャッター速度を高めたときのノイズの少なさは最新のデジタル一眼レフカメラやミラーレス機のほうがずっと上。

画像処理エンジンが優れているから。

晴れてる日にシャッター速度を気にせず低感度で撮るならば、15年前のカメラでも画質はほぼ変わらない。

ボケは撮り方とレンズによって(あとセンサーサイズと焦点距離によって)、全てが決まる。

ちなみに、一眼レフカメラから圧倒的に性能を凌駕した、最新のミラーレス一眼カメラだと、Nikonからシェアを奪い取りCANONとの2強時代に突入したSONYのフラッグシップモデル、α1のAF測距点数は、なんと脅威の759点。

2024年現在価格comで768,000円で売ってるカメラ。

秒間30コマの連射が可能。

その8ヶ月後発売された、同じくフラッグシップモデルのCANON EOS R3は連射枚数はSONY α1と同じものの、AF測距点は縦59点×横81点の4779点。

CANON頭おかしいw。

さすがは負けず嫌いメーカー。

そのCANONの1ヶ月後発売されたNikonのミラーレス・フラッグシップモデルのZ9は、AF測距点数が405点、連射は秒間20コマで、価格com最安値が684,000円。

後出しなのに性能が一番悪い。

これで価格comの匿名ユーザーたちは、Nikonは落ちめとか言ってるわけで。

一眼レフカメラ時代の8倍の測距点なのに…。

オーバースペックすぎ。

我らがペンタックスK-20DのAF測距点は9点やぞw。

ワイドAF併せて11点。

連射は秒間3コマや(爆)。

スマホとの違いはここ。

動きモノに対応できる。速射性がある。

動いてる被写体にAFが動的に食いつく。

派手にボカせる。

大きくて重たい望遠レンズが使えるかどうか。

それ以外のすべては前記事に書いた通り。

(おしまい)


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