社会の巨悪はその程度ではない。だから、健常者の生はヌルい
この前、健常者と一緒に街を綺麗にする活動をやった。
障害者は私一人だった。
☆☆☆
どうも障害者慣れしていない人が多く、口頭で掃除のやり方を教わったのだが、私は弱視難聴障害者である。
掃除のやり方を20分ほど教わったが、すべて見えず聞こえなかった。
段々相手がキレてきて、だから聞こえないんだつーの。
と思ったのだが(何度か言ったのだが理解されない)、放置していた。
したら相手の顔がクシャクシャに、哀しみに歪み始めた。
こいつはきっと良い奴だ。
これほどの不幸がこの世にあるのか。これほどの巨悪が日常なのか。
という顔だった。
18歳の頃、入院先の眼科の医師が「人は一人では生きていけない」
と仰っていた。
25年経ち、あれは嘘だと確信した。
人とまったく会話しないと障害者であっても腹痛になり、吐いてしまう。
人間は社会的生き物なのだ。
孤独だとストレスが溜まり、体調がおかしくなる。
しかし最初は月イチで吐くが、すべて見えないすべて聞こえない状態が30年も続くと、割りと平気になる。
一切の人と会話をしない。
一生涯会話をしない。
ずっと吐き続けていると、30年もすると慣れる。
人とのコミュニケーション0で普通に生きていける。
何も見えず何も聞こえない。
監獄。
人は一人でも生きていける。
この程度の巨悪で健常者は、気でも狂ってしまう。
こんなにも不幸でいいのかよ?許せないよ!
こんな奴が街中をウロウロしていたら、ストレスで人をナイフで刺しまくるのではないか。
そういうリアクションばかり取られる。義憤みたいな?
しかし思うに、健常者は社会を舐めすぎである。
で、だから何?である。
別に30年なり100年なり吐き続けながらずっと会話してなくても、何も困らないよね。
全然困ってないし、で、だから何?
ってな感じである。
この程度では超人になれないよ。
障害者お断りだからお店で商品売ってくれないし、そんなの当然だよ。
頭叩かれるし。
別に3日に1食でも生きていけるよ。
死にやしないよ、その程度で。その程度の孤独で。
で、ふつうに生きてる。
そこそこ人生楽しい。
失明してないんだから障害年金もらえると思うなよ!年金なめてんのか!この障害者のゴミが!
と医者に言われました。その通りです。
目と耳を失った程度ではすべてがダメになってない以上、わずかながら音が聞き取れる以上、障害年金はもらえませんよ。
なんか健常者は障害者はズルしすぎって言うけど、これのどこがズルなのかが私にはよくわからない。
が、別にそれはそれで困ってもいない。
いつものこと。1万回くらい差別受けて頭叩かれ慣れて、頭の形ボコボコになって、精神科行ってお薬ガンガン貰って飲みまくって、発熱して立てなくなって、薬切れて立ち上がって、頭壊してからが障害者の人生のスタートです。
これが普通です。
だからその程度の不幸で健常者は絶望するなと言いたい。
この程度の憎悪。
社会に対する圧倒的憎しみ。
日常茶飯事。いつものことじゃんね。
見たくないものは見なければ良い。
障害において大切なことは、とくに健常者側から見て一番大切なことは、絶対に、絶対に障害者にならないこと。病気に罹らないこと。
病気になったら人生詰む。
ただそれだけである。
(おしまい)
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