俺物語 #3
今回は高校時代を振り返る。
体が丈夫で負けず嫌いでかかとを潰したことがなくて、人見知りできゅうりが嫌いで、真面目で生徒会長でここ1番に弱い私は中学校を卒業した。
「サッカーで勝負する。」
高校進学をする時には念書を書いた。拇印付きの。両親を説得し、誓いを立てた。
そのくらい覚悟ガン決まりの進学だった。
高校3年間は濃すぎる、サッカー漬けの3年間だった。
中学校以前のことを覚えていないのは、高校の記憶が脳の容量を圧迫しているからだろう。ってくらい楽しいこと、辛いこと、キツイこと、悔しいことが山ほどあった。
意味わかんないくらい走った。シャトラン20本、U字走り、市立コース、12秒24秒、その進化版のミナミ走りとか。よく次から次へと走りのメニューを思いつくものだ、ヤツらは。
offの過ごし方がわからないくらい休みはなかったし、年越しも大体御殿場だった。
学校では商業生らしく電卓とパソコンをいじった。
そんな高校時代を振り返って思うことは
長所6 やっぱりコツコツ
入学当初は期待をかけられ、トップチームの遠征に同行したり、試合に出るチャンスをもらったりしていたが持ち前の勝負弱さとチキンハートが大活躍。チャンスを尽く掴み損ねた。
いやこれは正しくないな。少し見栄を張った。
正確にいうと実力が全然足りなかった。判断、プレーのスピード感。フィジカル。何もかもが足りていなかった。どうにか食らいつこうと伸ばした腕はもっていかれ、肩を脱臼するくらい敵わなかった。(実話)
目的地の遠さを見せつけられ、こんなんでやっていけるのかと思ったが負けず嫌いの私が顔を出す。悔しさを糧に練習する毎日。目指すは選手権。
1年の時はセカンドチーム。
2年では高総体メンバー入り。インターハイに同行するもサポートメンバー。
3年になりやっとトップチームで試合に出られた。両親の前で決めたプリンスリーグでのゴールは忘れられない。インターハイにも出られた。選手権には出られなかったが。
1歩ずつ。1歩ずつ。歩みは遅いがトップで試合に出るところまで漕ぎ着けた。
あと1年あればレギュラーだったに違いない。(笑)
私はコツコツ地味地味タイプの人間だ。決して成長は早くないが歩みは止めない。ウサギとカメで言ったらカメ。宇宙兄弟で言ったら先に宇宙に行った弟ヒビトではなく、その3年後に宇宙に行ったムッタだ。
自分に才能がないことを知っている分、周りを気にせずコツコツを積み重ねられるのが私の強みだと思う。強い意志を持っているし、頑固なところもある。
もう一つ。目標設定ができる。私はcoolな性格なので客観的に自分を見て、自分の現在地、足りないところを把握できる。そして達成可能な目標を設定することでモチベーションを保ってきた。
しかし。
短所4 突き抜けられない
やはり長所と短所は表裏一体だ。地道な努力は続けられる。しかし、その分と言うかなんと言うか突き抜けられたことがない。
やりすぎて怪我をするほど練習をしたことがない。
一週間続いていたランニング連続記録だとしても雨ならしっかり休む。
マラソン大会。前半は体力温存。最後に上げる。
成長グラフのy=axのa。「傾き」がいつになっても変わらない。
筋トレも10回と決めたら10回はしっかりやる。それも継続できる。
けど上に行くヤツは11回、12回やるだろう。
その差が積み重なって突き抜けられなかった。念書の内容も半分しか達成できていない。やりきれなかった。
ブランド着てるヤツ もうGood night
突き抜けられないヤツ もうGood night @Suchmos
て感じでヤツとおさらばするためには目標設定を変えなければならない。今までのような「絶対できる目標」ではなく「もう少し欲張った目標」を立てる。
最初からエンジン全開。ペース配分なんて無視。後半の自分の底力を頼る。
こんなレーススタイルに変えて行こう。
今までの努力では、本当に行きたいところには届かない。このままのグラフの傾きでは何かを成し遂げる、なりたい自分になる頃にはじじいになってしまう。そんなことを高校時代に学んだ。
これからは
「ウサギのようなスピードで走るけど、休まないカメさん」
という最強スタイルを目指す。
最後に恩師の言葉の紹介
気を使える人間になれ
別にスピリチュアルな話でも、愛想を振りまけという話ではない。
日頃から周りに気を配って、指示される前に自分で気付いて行動したり、さりげなく人の手助けをしたりする。そうすることで人間としても成長できるしサッカーも上手くなる。サッカーは気配りのスポーツ。仲間、相手に合わせてポジションを調整する。パスの質。出す場所、動き出しのタイミング。気を使う場面が山ほどある。あ、サッカー以外のスポーツにも当てはまるか。3年間叩き込まれたおかげで教育実習先で「気を使える。自分から動ける。」と、評価していただいた。
長所7 気を使える
評価は他人がするもの
「なんで試合に使ってくれないんだ。俺はこんなにできているのに。」と、腐りかけていた時にズバッと言われた言葉。自分が思っている自分と、外から見えている自分は全然違っていたりするものだ。評価してくれない他者ではなく、合格ラインに達していない自分にベクトルを向けられるようになった。妥協、慢心は成長を止める。思い出すたびに謙虚になれる言葉だ。まあ、人の評価ばかり気にして自分を曲げるのは違うけど。
以上。高校編終了。
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