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ブラック・スワンという魔物

『ブラック・スワン』読み合わせ勉強会


第8回ブラックスワン勉強会

ブラックスワン勉強会が終了した。
毎月開催している『ブラックスワン読み合わせ勉強会』は、コミュニティの中のオンラインイベントである。
読書会のような形式だが、課題図書が決まっている。
『ブラックスワン』
不確実性とリスクの本質 上下巻セットである。

ブラックスワンというのはダイヤモンド社から出ている書籍である。
ナシーム・ニコラス・タレブさんが書かれた本であるが、不確実性とリスクの本質というあまり皆が取り上げないであろうテーマとなっており、本当に思考を深めたい人が参加するようなニッチな会となっている。

ブラックスワン(黒い白鳥)とはまずありえない事象のことであり、次の三つの特徴を持ちます。
①予測できないこと
②非常に強い衝撃を与えること
③一旦起こってしまうと、いかにもそれらしい説明がでっち上げられ、実際よりも偶然には見えなくなったり、あらかじめ分かっていたように思えたりすること

Google の驚くべき成功と、9.11も黒い白鳥であると言えばわかりやすいだろうか。

宗教の台頭から、私たちの日常生活まで、ほとんどすべての背後には黒い白鳥が潜んでいる。
だが実際に起こるまで、黒い白鳥という現象に私たちが気づかないのはなぜだろうか。
その謎を解き明かしてくれる本書を読めば、世界の見方が変わるだろう。

考え抜くことが好きな人

勉強会の中ではこのような発言があった。
「考え抜くことが好きな人が集まっている」
考え抜くことが好きな人、というのは一体何だろうか。
考えるという行為は普段、皆さんもしていると思う。
考えて効率的に時間を使ったり、いかに少ない労働力で多くの成果を上げるか、ということを考えたりする。

つまり効率的に動いたり、効率的に時間を使うことに頭を使うことが多いと思う。
仕事でもそういったことが求められるし、主婦の仕事であっても、効率的にこなしていかないと日々の生活は待ってくれないため、非常に大変なものになってしまう。

では効率的に動くことが、人生にとって本当に良いことなのだろうか?

岩波少年文庫から出ている、ミヒャエルエンデ作『モモ』の中にもこうした話が出てくる。
時間は貯蓄できるものとして、みんなが時間を節約し始める。より効率的に仕事をこなしたり時間を無駄にしないように生活していくことで、お金を稼いだり、豊かな生活を送ろうとする。
しかし結果的には心に余裕のない生活というのは、人々の心を貧しくしていくものだった。

ミヒャエル・エンデ作 『モモ』

つまりここで言いたいのは、効率的に生活をしていくことで豊かになれると信じきっている人が多いことである。

時間を効果的に使ってお金を稼ぐ。それはまた、一つの幸せの形かもしれない。
しかし、そうしたことに少し疑問を感じ、立ち止まり、考えてみる。
考えただけで行動しない人は、社会的に評価を受けないような時代でもある。
しかし考え抜いていくことで見えてくるものもあるし、評価をされないからと言って、それを辞めてしまうのはもったいない。

人から評価を受けることだけが、評価ではないからです。
人間本来の目的は、自分がいかに幸せに生きていくかということです。
ものさしは、みんな同じではありません。

「自分にとっての幸せとは一体何だろう」

そうしたこところから考えていくと、考えることというのは非常に楽しく、深く、人生を豊かにしてくれます。

そうした思考力を高めてくれるのが、こうした『ブラックスワン』のような難解な本なのです。
難解な本に向かって、皆で立ち向かっていくのは楽しいものです。
そして難解な本を理解していくと、自分のレベルが上がったような感覚があります。

パーティーを組んで、レベルを上げて、魔王を倒しに行くような感覚です。

皆さんもこのパーティーに加わりませんか?

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尾崎コスモス/小説家新人賞の卵
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