【植物と短歌】酔芙蓉
夏頃からフヨウの花が咲きはじめて、美しい花だなと思って見ていた。
大学の講義で習ったからフヨウが識別できるようになったのだが、家の近所にフヨウが植えられていることに4年生にして初めて気が付いた。
花が咲くのを楽しみに待つ日々。
そしてついに花が咲いた。だけど…
私が知ってるフヨウの花となんか違う。白くて、八重咲(*1)だ。
考えてみて、一つ思い当たることがあった。
以前本でフヨウの一種に酔芙蓉というものがあると読んだのだ。
この花、咲いてから色が変わるというとても面白い特性を持っている。
ぜひいつか見てみたいと思っていたのだけど…
もしかしてこれはその酔芙蓉なんじゃないか…?
そう思って数時間後もう一度花を見に行くと、ちゃんと色付いていた。
やっぱり。これは酔芙蓉だ!
こんなに近くにあるとは思わなかった。
ではここで朝と昼、夕方の酔芙蓉の色の移り変わりをお見せしよう。
本当に色が変わっているのがお分かりいただけるだろう。
いったいどういう仕組みなのか。
面白い性質だ。これは短歌にも生かせそうだが…。
酔芙蓉を詠み込んだ短歌はあるだろうか。
フヨウの短歌は数多くあったけれど、酔芙蓉となるとあまり見つけることができなかった。もう少し時間をかけて探してみようと思う。
でも徐々に色づいてくようすを酒に酔った姿に喩えた、という酔芙蓉の名前そのものがまるで一つの文学作品のようだ。
*1 酔芙蓉には一重咲きのものもある