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アドベントエッセイ(89/365) プレミアム寝落ち
早いものでクリスマスまであと276日を切った。
どこよりも早いアドベント企画、89日目は「負ける睡眠の心地良さ」の話。
今日の昼、人に付き合う形で映画を見ていた。昼頃まで爆睡して、ようやく起きてお昼ご飯を食べて、すぐ見始めた。
その映画はシリアスなヒューマンドラマで、見始めて10分くらいで瞼が重たくなってきた。
映画は好きだから、なるべく観ていたい。隣に人もいるし。でも、眠い。
その後10分くらい眠気と格闘した末、私は眠ることを決めた。
「抵抗のあとの寝落ち」には、不思議な心地良さがある。
寝ると決めた瞬間、それまで体にまとわりついていた糸がほどけて、すーっと温かい水の中に沈んでいくような感覚。
映画の音が流れているから、所々で意識が戻り、その度に「あっ、寝てもいいんだった」と安心して、またすーっと沈む。この緩やかな波を繰り返すのが、本当に気持ちいいのだ。
普段眠気に抗わなきゃ行けない時は、仕事中や授業中など、たいがい「寝ちゃダメなシチュエーション」だから、どんなに眠くても、どこかのタイミングで目を覚ますことになる。
だから、今日みたいに「最悪寝ても大丈夫」なシチュエーションは稀だ。
抵抗の末の寝落ちは、特殊な条件が揃ってる時に体験できるプレミアムな快感なのだ。