note運営がチームビルディングの代わりになったチームも!? noteを通じて、社内外のコミュニケーション活性化を実現!
こんにちは!シナジーマーケティングの松居です。
今回は、noteの運営を通して「提供サービスの認知度向上」「お客さまへのノウハウ・情報発信」だけでなく、「社内外とのコミュニケーション活性化」「情報発信文化の定着」を実現した二つの社内noteプロジェクト(ちなみに、30名弱いる執筆者のなかでライター職は1名だけ!しかも記事はすべて内製!)の活動についてご紹介します。
デジタルマーケティング支援やプロダクト開発といった通常業務が他にあるなかで、いかに連載を止めずに円滑に運営していくか、コンセプト作りや運営フローについても語っています。ぜひご一読ください!
対談記事(ロングインタビュー版)は、以下から閲覧いただけます。
こちらのnoteに載せきれなかったエピソードも多々ありますので、あわせてチェックしてみてください。
■対談記事(シナジーマーケティングの公式企業サイト)
1. 二つのnoteプロジェクト
シナジーマーケティング株式会社は、ビジョンに掲げる「人と企業が、惹かれ合う世の中へ。」を目指して、デジタルマーケティング支援や事業運営で培ったノウハウのオープンな情報発信に注力しています。
クラウドベースの国産CRMシステム「Synergy!(シナジー)」を提供するクラウド事業部のメンバーが運営するnote「デジマケnote」「シナマケのプロダクト」もその一つです。
■デジマケnote
デジタルマーケティンググループのメンバー全員(約15名)で書いているnote。お客様のデジマ支援をする上で考えたことや苦悩、喜びなど……「主観」を大切に発信しています。
【運営メンバー】
■シナマケのプロダクト
シナジーマーケティングのプロダクト「Synergy!」に関わるさまざまな職種のメンバーが、自身の経験を元に、ビジネスに役立つ情報をお送りします。
【代表運営メンバー】
2. なぜnoteを始めた?
noteの運営を始めた理由を伺いました。二つのnoteに共通するのは「提供している事業・プロダクトの認知を拡大したい」という思いです。
【デジマケnote】
「情報発信をしていきたい」という声がきっかけで、運営目的は、「デジタルマーケティング事業の認知拡大」「読者のデジタルマーケティング課題の解決に寄与」の二つ。
執筆を担当している第1と第2デジタルマーケティングGは、Synergy!を導入しているお客さまに向けたデジタルマーケティング領域のサポートを行っているので、「noteの記事がお客さまの課題解決の一助になれば」という思いがあった。
【シナマケのプロダクト】
PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)のミッション「Synergy!に好感を持ってもらう」「Synergy!の認知を上げる」を達成するための手段の一つとして開始。
今回は特別に、それぞれのnoteの企画概要も一部公開します!
3. 真逆のコンセプト・体制づくり
「デジマケnote」「シナマケのプロダクト」のコンセプト・体制づくり・運営フローについて伺いました。どちらのnoteも「提供している事業・プロダクトの認知向上」を目的としていますが、方向性は真逆。それぞれのプロジェクトのカラーが出ていて大変興味深いです。
【デジマケnote】
・コンセプト
目的達成のために「発信文化を根付かせる」「執筆側と運営側双方のハードルを下げて、長く発信を続ける」という内向きの目的があった。そこで、「デジマメンバーの『主観』を発信するエッセイ」というコンセプトに決めた。
15名のメンバーで執筆されていますが、「記事を書く」ということに慣れていないメンバーや苦手意識のあるメンバーも。「情報発信」という四文字で表現されると、みんな構えてしまうので、少し言葉を変えて「エッセイを書いてほしい」と伝えるようにされました。「自分の気持ちを書くだけなら、書けるかもしれない」と言ってくれるメンバーもいたそうです。
・運営フロー
記事の企画から執筆、入稿作業にいたるまで、執筆者にお任せ。上がってきた原稿をチェックするポイントは「公序良俗に反していないか」「私たちの仕事に関係のある内容か」の二点だけで、SEOも気にせず、誤字脱字は公開後に気づいたら直すスタイル。
「通常業務と並行してnote運営をするため、運営フローの圧縮はマストでした。エッセイは個人の主観なので、細かく内容をチェックする必要もなく、運営側の負担も減らすことができます」と、出口さんは語られました。
【シナマケのプロダクト】
・コンセプト
Synergy!に関わる職種ごとの視点で、ビジネスをやっていく上でのノウハウを公開する。
「Synergy!」というプロダクトを看板にしているので、「発信する情報は正確か」「Synergy!としてのトンマナに合っているか」「Synergy!を導入しているお客さまが不快にならないか」に、特に注意して進行されたそうです。
・運営フロー
記事の企画から執筆者の指名、編集、校正などの執筆作業以外のフローをすべてPMM3名で担うスタイル。「どういったテーマの記事が必要か」「このテーマなら、どの部署のどの職種の誰が適任か」などを熟考して進める。
具体的には、あらかじめPMMでテーマを指定し、ノウハウを持っていそうな方を職種ごとに選んだ上で、その方のGM(グループマネージャー)にご相談して執筆を依頼されたそうです。
「執筆期間を一か月程度は確保するなど、執筆者にとって無理のないスケジュールになるように心がけました」と小楠さんは語られました。
4. 実際に運営してみてどうだった?
半年ほどnoteの運営を続けたところ、プロジェクト内にも変化が生まれたそうです。「運営を続けることでプロジェクト内に強い一体が生まれ、まるでチームビルディングをしているかのような効果が得られた」というエピソードも飛び出しました。
【デジマケnote】
・変化
「noteの運営に対するグループ内の空気が、プラスの方向に変わったと感じています」と出口さん。立ち上げ当初は、通常業務が忙しいなか、工数をかけてnoteを運営することに対して疑問視する意見もいくつか出ていて、会議の空気がピリつくことも何度かあったそうです。
突破口になったのは、上半期が終わるタイミングで実施した振り返り。「Slackで全員に執筆した感想を募ったら、『辛かった』という意見だけでなく、前向きな感想やアイデアの提案も多数聞かれました」と懐かしそうに小川さんは回想されます。
・変化が起きた結果
「出記事のViewがすごく伸びているとか、スキの数がたくさんついたとか、そういうことでは人って動かないんですよね。数字よりも、『この人って、普段こんなことを考えているんだ』『この記事、こういうところが面白かったな』などの感想や意見をフランクに言い合える空気を作ることの方が、モチベーション高く運営を続けていく上では大切だと思います」と出口さんは語られます。
小川さんも、「あるメンバーが書いた『この記事制作から感じたこと』という記事があるんです。この記事によると、最初はnoteに対して後ろ向きだったそうです。でも、プロジェクトの雰囲気の変化を感じて、前向きな記事制作ができそうだと。まさに徒然なるままのエッセイでした。『こんな風に思っていたのね……グスン』と感激しました。こんな風にnoteの記事上で、Slackで、オフィスで、酒の席で、ぽつりと伝えてくれることがあります。前向きな声も後ろ向きな声も、ぽつりと。それがうれしいですね。運営側はハートを強くもって、信じていることを推進していこうと、そのたびに思います」と力強く語られました。
【シナマケのプロダクト】
こちらのnoteは執筆者が部署を跨ぐので、PMM3名の間での変化や部署間の連携に関する変化について伺いました。
・変化
「PMM間では、二投稿目でViewが大きく跳ね、noteでいい反応を得られることが実感できたことで、より雰囲気が前向きに変わりました。記事の企画や公開をオンスケで進められた時や毎週3人で数字を確認してそれが伸びていた時などに、特にモチベーションが上がりますね」と小楠さん。
「執筆者との連携面では、執筆者用のSlackチャンネルを別途作り、執筆側と運営側で密にコミュニケーションを取れるようにする」といった工夫もされています。
【noteに関するアンケート調査結果(一部)】
それぞれのnoteで執筆もしくは企画・編集を手がけたみなさんにアンケートを実施!運営に携わったことで得られた気づきや課題などについて、多くの意見が寄せられました。今回は、その結果の一部をご紹介します。
5. note運営メンバーの横の繋がり
月に一度、プロジェクトの垣根を超えて、社内でnoteを運営するメンバーが集まって定例会を実施。すべてのメンバーが「ほぼ同時期の運営スタートかつnoteに触るのは初めて」という状況だったこともあり、雑談も交えつつ、ざっくばらんに運営のお悩みや知見などについて語り合っていたそうです。
「どうしたらViewが伸びるのか、スキがつくのかを、一から手探りでいろいろ試してはみるものの、自分たちの記事の数字がいいのか悪いのかもわからず。そんな時に他のnoteを運営している皆さんの話を聞いて、『自分たちの方向性は正しいのか』『数値が上がるように動けているのか』を確認できる場があったのは心強かったです」と小楠さん。
小川さんが、note株式会社のセミナーに出席して得た知見を共有されたこともあったそうで、「『noteは、フォロワー数を追うのはあまりよろしくない』『〇〇といった内容を発信するとよさそう』など、勉強になりました」という声も聞かれました。
「知見の交換という意味では、シナマケのプロダクトで公開された顧客理解のための顧客満足度調査に関する記事がとてもバズったことがあり、その要因の分析結果を共有をしてもらったこともありましたね」と、出口さんも具体例をあげて語られました。
6. 社内外からの思わぬ反響が!
改善を重ねながら半年ほど運営してみると、社内外からも予想以上の反応があったそうです。その一部をご紹介します。
【デジマケnote】
小川さんが、社内外問わず、noteの中の人にまで「デジマケnoteを見て!」と宣伝されたこともあり(笑)、さまざまな反響があったそうです。積極的に自ら宣伝することの重要性が伺えますね。
・反響
お客様とお話ししている時に、記事の感想をいただくことや、当社の元社員の方がXやnoteをフォローしてくれる、など。
社内では、セールスが「提案に使えそうだ」と言って、記事をそのまま提案時に使ってくれたり、提案書に内容を盛り込んでくれる、など。
・特に好評だった記事
プロジェクト発足から8年が経った竹中工務店様の記事
社内の反響について、出口さんは、「社内というかデジタルマーケティングG内のコミュニケーションが、特に活性化しているように感じています。記事は執筆者の考えや特徴が少なからず出るので、コミュニケーションのきっかけの一つになるんですよね。そういう意味では、社内コミュニケーションツールの一つとしても、noteは使えそうだなと思っています」と語られました。
【シナマケのプロダクト】
・反響
noteのまとめ記事にピックアップしてもらえたり、他社のnoteに取り上げてもらった、など。
Xでは、記事公開の告知に対して、パートナーになりうる企業様から直接コメントをいただいたり、当社の元社員の方がアカウントをフォローしてくれたり、リポストしてくれた、など。
7. 今後の展望
どちらのnoteも、目的に対して一定の効果を感じていることがわかりました。そこで、来期のnote運用についても伺いました。
【デジマケnote】
まず社内で「デジマケnote」の存在感をいかに出していくかがテーマ。
自社のWebメディアのなかでもPV数が特に多いCRMのプロが書くマーケティングBLOGに追いつけ追い越せで伸ばしていきたい。
「そのために、執筆者のモチベーションアップについてさらに工夫していく予定です。この下半期は、執筆側も運営側もnoteとの熱愛期なので比較的うまくいきましたが、時間が経つにつれて執筆メンバーも私たち運営メンバーも飽きてきて倦怠期に突入してしまいます。そうなった時にもモチベーション高くnoteを運用し続けられるように、今から出口さんといろいろ考えています」と小川さん。
【シナマケのプロダクト】
「Synergy!の認知を上げる」という目標に対して、noteは一定効果があったので、来期も引き続きnoteを活用していきたい。
よりSynergy!に対してポジティブな印象を持っていただけるようなコンテンツを用意したい。
「これまでSynergy!に接点がなかった人にも、有益な情報や提供サービスの認知を広めていきたいです」と小楠さんは語られました。
いかがでしたか?
シナジーマーケティングでは、今回ご紹介したnoteの他にもデザイン・サービスデザイン・HR(人事)のメンバーによるnoteが運営されています。
ぜひご覧ください……!
1 カスタマーサクセスやセールス、マーケティングなどビジネスサイド(売る側)と開発サイド(作る側)とのハブになり、プロダクトの認知拡大や販売促進、機能の企画に必要な情報を集め、推進を行うポジション。
2 Objectives and Key Resultsの略。目標の設定・管理方法の一つ。従来の方法と比べて、より高い頻度で目標設定や進捗確認、再評価をすることが特徴。対象となる従業員が目標に対して同じ方向を向き、一丸となって目標達成までの計画を滞りなく進行するために有効とされている。