人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査
佐賀由彦(フリーライター)さんによる、以下の時事通信社のニュース『介護施設の魅力【介護の「今」】』は医療・介護施設について考える時、実に参考になります。
厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」の結果は以下のURLです。
1.医療・介護のプロは施設を選ばない
厚生労働省の『令和4年度人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査』によると、一般国民の約44%と医師・看護師・介護支援専門員の56~58%が自宅での最期を望んでいます。
しかし、実際に自宅で亡くなる人の割合は約17%(厚生労働省の令和4年人口動態統計)にとどまっています。
施設(医療・介護)を知り尽くしている者の方が、施設ではなく、自宅で最期を迎えたいと思っているのです。
2.なぜ施設を選ぶのか
また、なぜ自宅ではなく医療機関や介護施設で最後を迎えたいという理由は「介護してくれる家族等に負担がかかるから」が圧倒的に多いといいます。
ようするに、自分のためではなく、家族のために、自宅を出て他の場所・施設で死のうということでしょう。
3.医療施設か介護施設か?
自宅以外で人生の最終章を迎えたいと考える人々は、医療機関と介護施設のどちらを選ぶのでしょうか。意識調査によると、介護施設よりも医療機関を希望する人が依然として多いことが示されています。
一般国民は、医療施設を選ぶ人が介護施設を選ぶ人の4.1倍、医師では2.7倍、看護師は4.5倍、介護支援専門員は3.6倍となっており、介護施設よりも医療機関を希望しています。
実際、人口動態統計では、約66%の人が医療機関で最期を迎えるのに対し、介護施設は16%に満たないといいます。
人生の最後を迎える施設としての介護施設の評判は良くないと言って良いのでしょう。
この調査には介護職員は含まれていません。介護職員ならもっと高率で死に場所は自宅、もし施設で死ぬとしたら医療施設を選ぶと思います。
実際に、いろいろな施設で介護職員たちに「将来、この施設に入居したいですか」と問うたことがありますが、ほとんど手が上がりません。
自分は、自分たちの施設には入りたくないのです。
この記事で佐賀由彦さんは、介護施設のよいところを色々と挙げておりますが、私は数値がすべてだと思います。
4.abuse/虐待はないのか?
特に次の記事は違うのではと思いました。
職員によるabuse/虐待がないことは、残念ながら前提にすることはできません。
以下のマガジンを見て頂ければabuse/虐待がないことを前提とできないことがわかると思います。逮捕者を出すような虐待事案は氷山の一角なのです。
abuse/虐待のそもそも論は以下のマガジンをご参照ください。