障害者支援施設で職員の28%が虐待(鹿児島市の社会福祉法人「八重山会」)
鹿児島市にある社会福祉法人「八重山会」が運営する障害者支援施設「ときわの家」と「第二ときわの家」で合計38件の虐待と職員の配置人数を偽るなどの不正受給があったとして鹿児島市はこの法人に対し4500万円の返還と新規利用者の受け入れ停止を1年間命じるなどの行政処分を下したと報じられています。
鹿児島市によると、職員が知的障害を持つ利用者を意図的に挑発し不安を感じさせたり、力ずくで引っ張るなどの心理的及び身体的虐待が行われていたといいます。
さらに、体を触ったり不適切な言葉を投げかける性的虐待もあり、確認された虐待の件数は合計38件で、施設の64人の職員のうち18人が、20人の利用者に対して虐待を行い、その中の1人の利用者は擦り傷を負ったと報告されています。
職員の28%(18人÷64人)が虐待していたということですが、これは職員個々人の問題ではなく組織の問題、経営の問題だと言わざるを得ないでしょう。
この虐待と障害福祉サービス費の不正受給は鹿児島市の監査で発覚したとのことで、内部告発ではなかったようです。
ということは、多くの職員は虐待があることを知りながら黙していたということになります。
ハンナ・アーレント(政治哲学者)の「凡庸な悪」を想起してしまいます。
「悪は思考や判断を停止し外的規範に盲従した人々によって行われた陳腐なもの」
このような施設では、たぶん多くの職員は日常的にabuse/虐待を眼にしていたことでしょう。しかし、判断を停止し黙してしまっていたということだと思います。
この社会福祉法人の理事長さんは次のように謝罪しております。
職員が悪いので職員研修するということでしょうが、根本問題は経営、組織なのです。
虐待は個人的問題ではなく、構造的な問題なのです。
虐待は構造的な問題なのですから、虐待は職員の教育問題ではなく経営問題なのです。
経営刷新が必要だと思います。
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