育成就労制度と移民社会-移住連声明
1.是非読んでほしい移住連声明
2024年6月14日、改悪入管法が国会で成立しました。
これに対して、NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」(移住連)が反対声明を出しております。『「移民社会」の現実から目を背けてはならない~入管法等の改定に断固抗議する』(2024.06.17)
是非、移住連の声明をご一読頂きたいと思います。
この声明は今回の入管法改悪の問題点を鋭く突いております。
今回の改悪入管法の問題は・・・
基本は実質的な移民なのに、移民として認めないことで最初からボタンの掛け違いが生じているということだと私は思っております。
多大な借金を背負って入国せざるをえないとか、転職制限とか家族帯同を認めないとか、現代の「奴隷制度」である技能実習制度を継承する育成就労制度でしかないこと。
さらに、実質的には労働力なのに育成とか教育とか「教えてやる」という高飛車的な姿勢を温存していること。
また、注目したいのは、今回の入管法及び入管特例法の改悪により、在留カード及び特別永住者証明書とマイナンバーカードの一体化が可能となったということです。
文中の「奴隷制度」という言葉が過激すぎると感じた方も、是非、移住連の声明をお読みいただきたいのです。
2.移住政策が必要な理由
日本の生産年齢人口(15~64歳人口)は、1995年の国勢調査では8,726万人でピークに達しましたが、その後、減少局面に入り、2020年国勢調査によると7,509万人となっており、25年間で1,217万人も減少(約14%の減少)しました。
将来の生産年齢人口は、出生中位推計の結果によれば、2032年には7,000万人、2043年には6,000万人、2062年には5,000万人を割り、2070年には4,535万人まで減少するということです。約75年間で生産年齢人口がピークの約半分(約52%)になってしまうのです。
2024年の生産年齢人口推計は7,346.6万人ですが、10年後の2034年では6,811.1万人となり、10年間で535.5万人も生産年齢人口が減少(7.2%の減少)します。10年間でほぼ北海道の全人口と同じ生産年齢人口が失われてしまうのです。
これからの日本の人口減、特に、生産年齢人口の減少を考えると、日本にとって海外からの労働者は必要不可欠です。
(参照:「日本の将来推計人口(2023年)」出生中位推計:国立社会保障・人口問題研究所)
3.移民に真摯に向き合おう
日本の生産人口の劇的・過激な減少を考えると、海外からの労働力は必要不可欠です。しかし、移住連の声明にあるように日本政府はこの課題に真摯に向き合っているとは言えない状況です。
日本社会が移住連の声明が伝えているような社会になることを私も願っています。
移民問題は介護の人材不足とも当然、地続きの問題です。
介護人材不足については以下のnoteをご参照頂ければ幸いです。
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