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良い健康診断と悪い健康診断

 健康診断はぜひしっかりと受けてください、というのが私の持論であり、社会のコンセンサスでもあると思っています。でも、その具体的な内容になると、有料(というか高価)な人間ドッグまで様々です。血液検査だけでも色々な項目の選択肢があり、他にも尿検査や、レントゲンや心電図、胃カメラや大腸カメラの内視鏡検査があります。そしてCTやMRIやPETといった画像検査になると、体のどこを撮るか、どんな写真を撮るかの種類も決めなければいけません。親戚や知人にお勧めを聞かれても、その人の年齢や生活習慣や持病によるところもあって、即答するのは難しいです。

 自治体や職場の健康診断、あるいは検診(特定の疾患の発見を目的とした検査)は、「集団のメリット」を最大限にするという観点があると聞きます。例えば、何歳以上の人にこの検査をすることで、将来的に検診費用を超えた医療費抑制ができるか、と言った見方です。逆に、個人のことだけを考えると、それよりもう少し項目を増やしたくなります。例えば、どうせ血液をとるなら、この項目もチェックしておいて損はしないというか、稀ではあるけど早く見つけて早く治療したら良い病気もあるのだけどな、と思います。

 一方で、高価な人間ドッグの中には、「お金持ちはいいな。この検査やっておいたら安心だよね」という項目も中にはありますが、「血液検査でこの項目をやるなら、この画像検査は要らないのでは? メリットより侵襲(検査をすることでの体への害や苦痛)が大きいのでは? 少なくとも5年10年に1回やれば十分な検査であることを説明しないと」と思うものもあります。院長先生の顔写真とともに宣伝されていたりして、「このドクターは心からお勧めしているのか、あるいは。でも名前も顔も出してご自分の医療水準がバレないとでも思っているのだろうか」と余計な心配をしたりします。

 結局、どうすればいいの?と思われたら、まずは自治体の検診をしっかりお受けください。チャンスがあったら、プラスアルファの人間ドッグも、たまにはご検討ください。いくつかの人間ドッグを見比べた時に共通してやっている検査が、受けるべき一つの目安かなと思います。

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