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おばけのいたずら#3
結論が出たところで彼らは帰っていった。時間は明け方の4:00を回っていた。二人になった僕らは「なんか釈然としないね」「なんでうちにみんな来るんだ?」そんな会話をしながら、空が明るくなる時間だったがとりあえず眠ることにした。
僕の部屋の天井には蛍光管が2本入る長方形のシーリングライトが付いていた。横になると部屋に紛れ込んだ蛾がライトの中に入ってしまっているのが目に入った。4cmほどの蛾だった。しばらくは抜け出せなく踠いている蛾を眺めていたが、疲れていて逃がしてやる気力はなかった。
「蛾がライトに入っちゃってるね」「そうだね」二人とも、もう虚ろだった。そんな言葉を交わしているうちにいつの間にか意識は落ちていた。
眠りについてからしばらくして物音で目が覚めた。天井のシーリングライトのカバーがガタガタ動いているのである。するとバンという音と共にカバーが外れた。カバーは片方が引っかかっていて僕らの上に落ちてくることはなかったが、外れる瞬間を僕は見たのだった。
ぶら下がって揺れているカバーを見ながら、隣で寝ている恋人を確認した。起きることもなく寝息を立てている。僕は地震と思ってテレビを点けてニュース速報を待った。画面の端には5:45と時間が出ていた。
そして待てどもテレビに地震速報が出ることはなかった。カーテンの隙間からは朝日が差し込んできていた。「地震ではないのか」起きたことがよくわからないままカバーを直して、再び横になった。そして睡魔が襲ってきて眠りに落ちた。
つづく