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BEYOND2023 どこよりも早い現地レポート(トークセッション③)

2023年10月7日(土)に開催されるBEYOND2023に、Syncableから2名参加しております。気になったお話や登壇テーマを現地レポートします。

本記事はトークセッション③「資本主義のなかで生きる、インパクトスタートアップならではの戦い方」のレポートです。

登壇者のご紹介

梅川 忠典 氏:リージョナルフィッシュ株式会社代表取締役
小野邦彦 氏:
株式会社坂ノ途中代表取締役
藤木庄五郎 氏
:株式会社バイオーム代表取締役
酒井里奈 氏:株式会社ファーメンステーション 代表取締役
深井 喜翔 氏:
KAPOK JAPAN株式会社代表取締役

問:ソーシャルビシネスって儲からないよね?というイメージについてどう乗り越えたか?


小野さん:テーマによって事業化しづらいものはある。トレードオフにならないようにしている。創業当初は小さくいいことをするということで、NPOっぽい雰囲気だった。ある時期から事業成長を目指すにあたって成長と課題解決のトレードオフにならないようにシフトした。

酒井さん:6,7年くらいはスケールする気配がなかった。小さくやっていると、全然扱えるゴミの量が増えない。だからこそ、スタートアップとして資金調達をし、拡大の方向を示した。

藤木さん:元々生物多様性の研究をやっていた。でも経済によって生物多様性が壊れているところで、生物多様性を守ることと経済性を両立させることを軸にスタートアップを立ち上げた。しかし、周りにも「そんな儲かるわけない」と言われ続けた。世間の流れができてきているからこそ、ビジネスとしても成り立つ未来が見えてきた。

深井さん:大阪のアパレル企業の4代目で、一族で繊維関係の事業を行っていた。事業継承が問題なのではなく、社会構造にほうに問題があると思っている。別会社として、家業とシナジーが生まれる形で、事業継承と業界構造を変えるためのアプローチをしている。

梅川さん:社会課題解決をしていくんだという旗を上げて、まとめ上げることが大切だと感じている。重要なテーマをやっている人たちが儲からないのは当たり前。でもこの先の世界ってどうなるんだろう、どうなるべきなんだろうということを示すことに意味がある。時代の流れが追い風になることで、収益性も見えてくる。

問い:時代の変わり目で、社会が変わってきたと実感することはあるか?


小野さん:前提を省いて話せるようになってきた。世の中が変わってきたことで新たに生まれる歪みに対してアプローチできる会社でありたい。

酒井さん:サステナビリティと機能性ってどっちが大事ですか?とか聞かれるが、まだそういう事言うんだなという感じはある。ヨーロッパの人と話すと、両立が当たり前の中で、国内では大企業とのやり取りで市場をつくっていく。

問い:対外的にどんなメッセージを出してよかったか?

藤木さん:生物多様性を守ろうというのをできるだけ言わないようにしている。当時、旗を掲げても誰も見てくれないという感覚もあった。環境を守るという方向ではなく人の本質に焦点を当てた。人の欲求に刺さるプロダクトにしようというところから始まった。「楽しいからやろうよ」というメッセージが合っていた。

梅川さん:思考を未来に飛ばしている。ある程度予測可能な未来の中で、我々の技術がどういう役割をするのか、どういうアプローチができるかということを考えようというメッセージを出している。

IPOの捉え方


小野さん:仲間集めの機会だと思っている。お金出してもらうことはありがたいが、もっと事業成長していくためにお互いに何ができるかを模索していきたい。社会課題解決をテーマでやっていると、縛られて追い詰められる人も見てきた。社会課題解決の言語も、金融の言語もわかることの重要性を感じている。

梅川さん:IPOのほうがエクイティバリューが高くなるから、IPOを目指している。スタートアップをやっている以上、企業価値が高いほうが正である。将来に目指すところが近くなっていく。大企業よりも大きなお金と人材が集まることで、社会を変えることができるようになっていく。このテーマって重要だよねっていうことを思ってもらえたら、価値がよりつく。そこから扱うテーマを噛み砕いて、わかりやすいようにしていくことで、さらに人を巻きこみ、社会を変えていく。

藤木さん:今の会社の状態は、個人の所有物だが、これから社会の所有物にしていくことに意義を感じている。膨大な生物のデータを持っている中で、個人ではなく、社会に展開していくことが大事だと感じている。生物多様性で上場できるんだということで世界にインパクトを与えたい。上場することが最もわかりやすい先行事例になるとおもっている。


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