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『春の遠足』Ⅲ.

黙認

黙認とふつややかさかな輪郭を朝日に濡らす目覚まし時計

たましひの種類をひとつ加へれば再び動き出すオルゴール

曖昧にかなしむことに慣れ始め唐揚げ弁当睨みつつ食ふ

心にも屋上があれば夕暮れのあなたの影に撫でられにけり

消毒を拒めば傷は傷として夜霧のごとく我が身となりぬ

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