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試合直前の補食は何を食べれば良いのか?

試合前のベストな食事タイミングとは?」より、
試合前の補食のタイミングは、試合〜2時間前には済ませて補食による血糖値上昇と、それに伴うインスリン反応による血糖値下降が終わって、平常値に戻っていから試合に望むタイミングが望ましいです。

しかし、長距離や長時間の競技の直前に何かしらエネルギー補給しておかなければ不安になる選手もいると思います。

では、そんなとき、試合直前に何を食べるとよいか?
SympaFitでは、アスリートのパフォーマンスを最大化させるために、以下のポイントを押さえた捕食を推奨しています。

  1. 糖質の種類や量

  2. 血糖値を急上昇させない

  3. 消化吸収をおだやかに




糖質の種類について 

糖質の種類は様々ですが、ジュースやエネルギーゼリーに含まれる主な糖質は、いわゆる砂糖やブドウ糖果糖液糖と言われる糖です。
2つは大きくは同じ糖質で、果糖(フルクトース)ブドウ糖(グルコース)が結合した糖質です。血糖値とは、ブドウ糖値(グルコース値) のことなので、摂取すると血糖値の上昇に直結します。

例えばエナジードリンクなどは40 gを超える砂糖またはブドウ糖果糖液糖が含まれており、取りすぎが懸念されます。


また、マルトデキストリンと言われる糖質もあります。マルトデキストリンは、デンプンが加水分解された多糖と言われるもので、グルコースが数百〜数千程度結合しています。

これらを摂取すると、体内で素早く分解され、グルコースとして吸収されます。

糖質の吸収しやすさは、血糖指数(Glycemic Index, GI値)として、指標があります*1。マルトデキストリンは血糖指数(GI)が高いため、血糖値の急上昇を起こす可能性があるとされています。

エナジーゲルにはこれらが50 gも含まれていたりするため、運動直前に摂取する場合は、一気に全部ではなく、ゆっくり少しずつ摂取するか、半分程度にとどめておいたほうが好ましいです。


その他にも糖質の中には、吸収が穏やかなものもあり、その代表例がパラチノースです。

パラチノースは、蜂蜜中に含まれる天然の糖質で、小腸での分解速度が砂糖に比べて約5倍遅く、ゆっくり消化吸収されるため、血糖値の急激な上昇を抑制する効果があります*2。

持久系ランニングのギアとして、ゲル状の補給食が多く販売されていますが、これらの成分表を観てみるとパラチノースが砂糖やブドウ糖果糖液糖の替わりとして使用されていることが多いです。


以上、様々な糖質の性質を知り、試合直前に何をどのくらい摂取するかを考えてみてください。

いずれにしても、試合直前に糖分を多量に摂取すると、急激な血糖上昇が起こります。それに伴って、インスリンが働くことと、運動によるエネルギー消費のタブルで血糖値の急激な低下が起こります。

この状態が、一時的な低血糖を招き、視界が遮られたり、意識を失うようなフラフラ状態に陥り、危険なのです。


取るべき糖質の量

フルマラソンでも、ハーフの21 km付近まで快調に走っていても、補給が追いつかないことでハンガーノック状態(簡単にいえば体のエネルギーがなくなるガス欠状態)になり、30〜35kmぐらから急に足が前に出なくなるという経験がある人が多いと思います。

そうならない為にも空腹だと感じる前の早めの補給は重要になってきます。

走行ペースや、コースの特徴で上下しますが、体重(Kg)× 距離(Km)=消費カロリー(Kcal)をおおまかな指標として、摂取するカロリー計算をするといいかもしれません。例えば、体重が60kgがフルマラソンを走るためには、2531Kcal必要という計算になります。

体内に蓄えられる糖質のカロリーは約1600〜2000 kcalと言われており、不足するカロリー分を、運動前と、運動中にこまめに補う必要があります*3。

試合直前にエネルギーが足りるか不安になる方は、このような計算をして、運動中に一度に摂取できる量と回数と、タイミングを考えて定量的に安心して試合に望みましょう。



消化吸収を穏やかに

試合直前に重たい固形物を摂取してしまうと、運動中に消化が行われるので、胃に負担がかかります。

また、単純に動きにくい、お腹を下してしまうなどトラブルが生じます。

運動中に内蔵に負担かけずない、さらに吸収を穏やかにする方法して、ゲル状のものは、消化吸収に適しているので、試合直前の補給食としては固形物
よりも好ましいとされています。




*1: https://saisei-iryo.online/archives/1782
*2:  https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2016/005570.php#:~:text=%E3%80%8C%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%81%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%80%8D%E3%81%AF%E8%9C%82%E8%9C%9C%E4%B8%AD%E3%81%AB,%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%80%A7%E8%B3%AA%E3%82%92%E7%A4%BA%E3%81%99%E3%80%82
*3: Dee Unglaub Silverthorn “Human Physiology: An Integrated Approach” Pearson (2015)