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「謙虚謙遜」の法則【15】地山謙(ちさんけん)/64卦
謙虚、謙遜、へりくだる、謙譲、 謙遜の態度、謙虚な態度、謙遜の心、控え目、謙るの【15】地山謙(ちさんけん)。
【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。
「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。
学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。
易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。
このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。
全部である64卦あるなかのひとつ15番目の【15】地山謙(ちさんけん)の原文(漢文)と書き下し文です。
【15】地山謙(ちさんけん)
『卦辞』
「謙、亨。君子有終。」
「謙(けん)は、亨(とお)る。君子(くんし)は終(おわ)り有(あ)り。」
(けんは、とおる。くんしはおわりあり。)
『彖伝』
「彖曰、謙、亨。天道下済而光明。地道卑而上行。天道虧盈而益謙、地道變盈而流謙、鬼神害盈而福謙、人道惡盈而好謙。謙尊而光、卑而不可踰。君子之終也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、謙(けん)は、亨(とお)る。天道(てんどう)は下済(かせい)して光明(こうみょう)なり。地道(ちどう)は卑(ひく)くして上行(じょうこう)す。天道(てんどう)は盈(えい)を虧(か)きて謙(けん)に益(ま)し、地道(ちどう)は盈(えい)を変(へん)じて謙(けん)に流(し)き、鬼神(きしん)は盈(えい)を害(がい)して謙(けん)に福(さいわ)いし、人道(じんどう)は盈(えい)を惡(にく)みて謙(けん)を好(この)む。謙(けん)は尊(たっと)くして光(ひか)り、卑(ひく)けれども踰(こ)ゆ可(べ)からず。君子(くんし)の終(おわ)りなり。」
(たんにいわく、けんは、とおる。てんどうはかせいしてこうみょうなり。ちどうはひくくしてじょうこうす。てんどうはえいをかきてけんにまし、ちどうはえいをへんじてけんにしき、きしんはえいをがいしてけんにさいわいし、じんどうはえいをにくみてけんをこのむ。けんはたっとくしてひかり、ひくけれどもこゆべからず。くんしのおわりなり。)
『象伝』
「象曰、地中有山謙。君子以裒多益寡、稱物平施。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、地中(ちちゅう)に山(やま)有(あ)るは謙(けん)なり。君子(くんし)以(もっ)て多(た)を裒(へら)し寡(すくな)きを益(ま)し、物(もの)を稱(はか)り施(ほどこ)しを平(たいら)かにす。」
(しょうにいわく、ちちゅうにやまあるはけんなり。くんしもってたをへらしすくなきをまし、ものをはかりほどこしをたいらかにす。)
『爻辞』
上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━〇
「初六。謙謙君子。用渉大川。吉。」
「初六(しょりく)。謙謙(けんけん)す君子(くんし)。用(もっ)て大川(たいせん)を渉(わた)る。吉(きち)なり。」
(しょりく。けんけんすくんし。もってたいせんをわたる。きちなり。)
「象曰、謙謙、君子卑以自牧也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、謙謙(けんけん)す。君子(くんし)卑(ひ)以(もっ)て自(みずか)ら牧(やしな)うなり。」
(しょうにいわく、けんけんす。くんしひもってみずからやしなうなり。)
上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━〇
初六━ ━
「六二。鳴謙。貞吉。」
「六二(りくじ)。鳴謙(めいけん)す。貞(てい)にして吉(きち)なり。」
(りくじ。めいけんす。ていにしてきちなり。)
「象曰、鳴謙、貞吉、中心得也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、鳴謙(めいけん)す、貞(てい)にして吉(きち)なりとは、中心(ちゅうしん)より得(え)たればなり。」
(しょうにいわく、めいけんす、ていにしてきちなりとは、ちゅうしんよりえたればなり。)
上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━〇
六二━ ━
初六━ ━
「九三。勞謙。君子有終、吉。」
「九三(きゅうさん)。勞謙(ろうけん)す。君子(くんし)終(おわり)有(あ)りて吉(きち)なり。」
(きゅうさん。ろうけんす。くんしおわりありてきちなり。)
「象曰、勞謙君子、萬民服也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、勞謙(ろうけん)す、君子(くんし)とは、萬民(ばんみん)服(ふく)するなり。」
(しょうにいわく、ろうけんす、くんしとは、ばんみんふくするなり。)
上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━〇
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━
「六四。无不利。謙撝。」
「六四(りくし)。利(よ)ろしからざるなし。謙(けん)を撝(さしまね)く。)」
(りくし。よろしからざるなし。けんをさしまねく。))
「象曰。无不利。謙撝、不違則也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、利(よ)ろしからざるなし。謙(けん)を撝(さしまね)くとは、則(のり)に違(たが)わざるなり。」
(しょうにいわく、よろしからざるなし。けんをさしまねくとは、のりにたがわざるなり。)
上六━ ━
六五━ ━〇
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━
「六五。不富以其鄰。利用侵伐。无不利。」
「六五(りくご)。富(と)めりとせずして其(そ)の鄰(となり)と以(とも)にす。用(もっ)て侵伐(しんばつ)するに利(よ)ろし。利(よ)ろしからざるなし。」
(りくご。とめりとせずしてそのとなりとともにす。もってしんばつするによろし。よろしからざるなし。)
「象曰、利用侵伐、征不服也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、用(もっ)て侵伐(しんばつ)するに利(よ)ろしとは、服(ふく)せざるを征(せい)するなり。」
(しょうにいわく、もってしんばつするによろしとは、ふくせざるをせいするなり。)
上六━ ━〇
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━━
六二━ ━
初六━ ━
「上六。鳴謙。利用行師征邑國。」
「上六(じょうりく)。鳴謙(めいけん)す。用(もっ)て師(いくさ)を行(や)り邑國(ゆうこく)を征(せい)するに利(よ)ろし。」
(じょうりく。めいけんす。もっていくさをやりゆうこくをせいするによろし。)
「象曰、鳴謙、志未得也。可用行師征邑國也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、鳴謙(めいけん)すとは、志(こころざし)未(いま)だ得(え)ざるなり。用(もっ)て師(いくさ)を行(や)り邑國(ゆうこく)を征(せい)す可(べ)きのみなるなり。」
(しょうにいわく、めいけんすとは、こころざしいまだえざるなり。もっていくさをやりゆうこくをせいすべきのみなるなり。)