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『話を聞いてもらう』ことで癒しが起こった

「人に話を聞いてもらうと癒される」。そう聞いて、あなたはどう感じますか? 信じられないという人もいるかもしれません。私も数年前にはそう答えていたと思います。けれど実際カウンセリングを受けてみて、見方が変わりました。
この記事では、カウンセリングに行って話を聞いてもらった際の気づきをメモしていきたいと思います。

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はじめに

私は2017年からカウンセリングを受けています。FAP療法を用いる大嶋信頼先生のカウンセリングセンターに通っています。最初の半年は月に一~二回足を運んでいましたが、今は一~三カ月に一回の頻度に落ち着いています。

カウンセリングにおいて、あなたが気になるのは「本当に効くのか」ということかもしれません。ですがこの記事では。『話を聞くプロに話を聞いてもらった』ことで私が感じた気づきを記していきます。
主な点は二つ。『客観的に生い立ちを振り返れたこと』と、『第三者からの所感を言ってもらえたこと』です。

私の生い立ち、けっこうスゴイかも

一つ目の『客観的に生い立ちを振り返れたこと』です。
FAP療法では、インテーク(初回面談)で自分の成育歴と家族・親せきについて話します。自分の生い立ちって当たり前すぎて、何の違和感もないんですよね。でもそれを改めて、友人との日常会話ではなくカウンセラーさんに改めて話すと、「もしかしてこれって大変な環境だったのかも……」と自然に思えるようになりました。そしてその中でサバイブしてきた自分は、結構えらいじゃんとも。
例えば私の場合、本当に大事件が起こった記憶はありません。何不自由ない生活だったと思うのですが、それでも母自身が辛い幼少期を経験していたり、父方祖母のお父さん(私からみてひいおじいちゃん)の存在がものすごく希薄だったり、そして自分も生後三カ月で腸ヘルニアの手術を受け、退院時には泣きすぎて喉がカッスカスだったということを、口に出したことで初めて思い出しました。(私自身はもちろん記憶にありませんが)普通の家族や親せきだと思っていたけれど、実は大変な心の傷を持った人たちが私を含め近くにいるのだなと、冷静な目で見つめなおすことができました。

しんどいと思っていいんだ

二つ目の『第三者の所感を言ってもらえたこと』ですが、これは感情を肯定してもらえたという経験です。
私は自分の感情や感じ方に疑問を持ってしまうタイプです。怒りや悲しみといった感情を、後になって「こう感じてしまうのはおかしいのではないか」とやたらとこねくり回してしまう癖があります。自分が感じたことや辛かったことを、少し経つと「考えすぎかな」とか「相手もそんな悪気があったわけじゃないだろうし」となあなあにしてしまうのです。
実際、私は長い間自分の両親を「素晴らしい親」だと思っていましたし、自分はとても恵まれていると感じていました。しかし、私の自信は低空飛行です。本当に愛されて恵まれていたなら、こんな気持ちにならないのでは? という疑問と「それは気にしすぎだ。よい娘でいないと」という自己否定の間で葛藤するようになりました。
それに対してカウンセラーさんが「これはすごいしんどい環境です、苦しく思うのが自然です」と言ってくれて、そのとき、自分の感じたことは信じて受け止めて良いんだなと思えるようになりました。友人との会話だと、結局他人の所感に流されただけになってしまいますが、カウンセラーさんの受け止め方だと、自分が自立する助けだと感じられます。お守りのようなものですね。

まとめ

気持ちを口に出して、聞いてもらう。そのことでさまざまな気づきが促されて、癒されるなと体験しました。人間が社会的生物というのは本当ですね。
まだまだ日本では敷居が高いカウンセリングですが、将来メンタルヘルスが身近なものになって、もっと気軽に多くの人が足を運べる施設になればいいなぁと思います。それから、カウンセリングに限らず、人に話を聞いてもらうことそのものに力があるのだと(日常会話だと、多少の心構えや思いやりは必要となりますが……)

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