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『HERE ヒア』はすごいけど誰にも教えたくねえw
映画が怖くて(音大きくてハラハラしたりするので)あんまり観られない、映画デートができないことで有名なSyです。こんにちは。
おや?今日は珍しく映画、それも今度公開予定の『HERE 時を越えて』の話をしようとしていますね…?というところですが。
実際書くのは、
この映画の原作がいかに奇妙で恐ろしく、それでいて温かく心が満たされる と 思いきや 突然の破壊!!!!!!
などなどどれだけメンタルをぐちゃぐちゃにされるのかということ。
あとどれだけ日本がマンガ大国といわれようとも
こんなの ぜったいぜったい 日本人には描けません、こんなの無理
勝てない
と震えが止まらなくなる 劇物だよ!
という話をしますね。
すでに情緒ぐちゃぐちゃな感じですがみんな読んだ方が良いです。
この国にいる人にはきっとなにかが響くはず。
以下怪文が続きますが、読んでくださった皆さんはすぐに本屋さんに行って原作を買って読んで、国書刊行会さんにお金を落としましょう。
映画について調べてみると、ぱっと見キラキラハートフルヒューマンストーリーって感じ。ところどころ怪しい映像がありますがそちらが本質です。興味を引かれるところはあるかもしれませんが、くれぐれも監督と俳優さんに騙されないでくださいね。いや騙された方がぜったい面白いな。あと多分ね、これ罠。
そんなヒアという作品について、情緒が完全にぐちゃぐちゃになる前に頑張って書きます。
よろしくお願いします。
私の説明なんかよりめちゃくちゃ分かりやすいこちらを。作者であるリチャード・マグワイアさんのお言葉がたくさん掲載されていてもうこれで終わりでいいレベルです。
↑こんな作品です。
少なくとも日本でこんな表現方法は見たことありません…。完全に発想の勝利という気がします。
もし私が漫画家を志していたら、これに出会った瞬間に筆を折るでしょう。そのくらいのインパクトがあります。
そして、同じことをしたら「あー、それヒアのパクリ?」とか言われそうなくらいの革命を起こしちゃってます。
ちなみにSyは一度買って、あまりの恐ろしさに驚愕して、ちょっと家には置いておけない!!無理!!怖い!!となって、一回売って、でもどうしても頭から離れなくて、なんともう一度買ってしまいました。
重版されててよかった。
n=1ですが、そんな本です。
先ほどの記事を読んで、なにか違和感を抱かないでしょうか?なんと窓にかかわる活動を行う財団法人さんが運営しているサイト内のいちページなんです。
いきなり核心みたいなところに入りますがヒアの主人公は「場所」です。人間じゃありません。場所です。
この物語の【大半の部分では】ここに建物が建てられます。その建物の窓と暖炉がある「部屋」が、「ヒア」の役目を務めます。
窓を扱うメディアさんに取り上げられたのは、部屋が舞台になるから…?それだけではありません。
サムネイルがすごい奇妙ですがほとんどのページがこんな感じです。「窓」ごとに、この場所で起こった、異なる時代のお話が、同時進行します。
いつの時代のどんなお話が出てくるのかは、完全にランダムです。※実のところ、恣意的な感じがするところも多々あるのですが。まあ読んでみてください。
話が途切れたと思ったら忘れた頃に続きが出てきたりします。把握するのが大変です。※私はワーキングメモリが弱いです
いきなり過去に戻ったり未来に飛んだり、ページによっては現在と過去と未来がぐちゃぐちゃになってたりします。マルチタスクです。
これ本当に映像化できるの?
※できました。
ただ、核となるお話は一応?存在します。作者のリチャードさんとそのご家族にまつわるエピソード群です。おそらく映画の中心になるのもこの辺りでしょう。(作りやすそうだし)
リチャードさんは実際にこの家に生まれ、この家で育ちました。
ただ、ご本人が仰っている通り、たとえ見かけ上はこのエピソード群がメインだとしても本質は違います。
(略)私の家族は50年間そこに住んでいましたが、そうした年月も歴史の中の長い目で見れば一瞬です。ヨーロッパからの入植者が来る1万年も前から、アメリカ先住民はこの場所に住んでいたのです。私はこうした全体像を見る必要がありました。
これは何もかもが、いかに一過性のものであるかということについての物語なのです。大海原のように広がる時間の中では、私たち一人ひとりの人生は本当に儚いものです。すべてのものは移ろいゆくのだということを、読者には感じてもらいたいと思いました。
人間の人生ははかなく、そしてすべてはうつろいゆくという、言葉にすればまあそりゃそうだよねとなる、しかしそれを目で見えるように表現されてしまうとかなりショッキングな事実が、この作品の根底にこんこんと流れています。
人間は他の人たちとつながり、キラキラした瞬間を作り出します。ある時代の技術では、それを記録として残しておくことも可能です。
しかしながら、「場所」―つまるところ、自然の前では、地球の歴史の前では、人間を含むいきものという存在はあまりにも無力なのです…。
というお話を、原作ではわざわざ300ページ以上使って、絵を使って、延々と言われるわけです。
…こわくないですか…?
これを読むということは、「あなたもあなたの大事な人も他の人たちも、すべての生き物たちはただ一瞬を生きるだけの存在なのだ」というショッキングな事実をこめかみに突きつけられるようなものです…泣
そんなわけで、私は一応所持はしているけど滅多にページを開きませんみたいな感じになったのでした。
ちなみに、ヒアをあまり知らない人に色々と説明したら「定点観測だね」と言われました。
確かに、この表現はかなりいいところをついていると思います。ただ観測期間は地球誕生〜西暦2万2000年ですが…w なげえ…。
ちょっと気になるのが、原作で出てくるかなりセンシティブな表現の扱い。
ある時は人権とかないので女性が性的な意味で危険な目に遭います。
ある時は先住民たちが不憫な出来事に遭遇します。
未来では大洪水、放射線にまつわるなにかが起こります。…これはこの国ではちょっと物議を醸しそうで…。
なにが言いたいかというと、『HERE 時を越えて』という映画は、原作を読んだ者からすると、どのような作品になったのか、ちょっと予想ができません。
ホムペの情報量が少なすぎるのも気がかりです。何かを隠しています。
人によっては、もしかしたら不快な気分になったり、過去の辛いことを思い出してしまうかもしれません。恐怖がしばらく抜けないかも、といった事態も起こりえます。
BT◯Fやフォレス◯ガンプの監督さん、というところで軽い気持ちで観に行くとちょっと足を掬われてしまうかもしれません。やっぱり国書刊行会から出てる原作を読んでから観るのがベストでしょう。
私はずっと映像化を楽しみにしていたので観に行きたいのはやまやまですが、一旦評判とかみてから考えようかと思います。(それだけすぐ不安になっちゃうというわけです。)
観たら、また怪文感想を書きますね。
以上、日本版公開に際して所感の文章と思いきやサブリミナル国書刊行会の記事でした。
(原作4,400円は高いですがこの出版元だとそれほど高くないです。ぜひに)
おわりです。
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