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やっぱり横笛が好き 〜笛子編〜

いたって個人的なことですが、
横笛のレパートリーとして、
最近、中国の横笛・笛子を楽しみ始めています♪

私は一本だけ、笛子を持っているのですが、
これ、『陳情令』のドラマで、主人公が武器としている黒い横笛・鬼笛陳情を模した、“コスプレ用”とされていたのをamazonで見つけたもので、
すごく安価だったので、試みに笛子がどんなものか知りたくて購入したものでした。

中国の楽器は、琴も笛も、座右らしい漢詩や経文が刻まれています
こちらはグッズらしく、「陳情」の笛の名と、キャラ二人の絆らしい文言が書かれています

コスプレ用とされているとはいえ、初心者用としてちゃんと吹ける、シンプルな竹製の塗り笛で、試みとしては問題なく、デザインも美しい。

しかし、笛子の実物を最初に見た印象は、ともかく「孔」が多くて、
どこまでが指孔で、どこが笛口なのかすらわからないし、吹いても息が漏れるばかりで音がしない。
演奏のための孔以外に、房飾りを垂らす孔とか、音響のための孔がやたら多いのです。

これはレプリカですが、孔が多いのはわかる

基本的に、笛を鳴らす吹き口と、指孔六孔の間にも孔があり、これが空いたままだと空気が漏れて、音がしません。
ここに、専用の竹の薄い膜「笛膜」をつける…ということだけはわかりましたが、

陳情笛と共に添付の音階説明も、すべて中国語でよくわからない…そもそも笛子には日本語の教本が市販されていません。
そして、笛子の独習が難しい決定的な理由はこの「笛膜」だということもわかりました。
これは音色を震わせる音響効果のためのもので、ちゃんと教室で習ったとしても、その装着技術の習得自体に熟達を要すらしい。YouTubeとかで説明はありますが、ズブの素人には困難です。

ただ、音響効果を考えなければ、テープか何かで塞いでも音は出るので、
恥ずかしながら、現状、仮にマスキングテープを貼って凌いでいます(^^ゞ

ちなみに私は、横笛では最も息遣いの強い能管をやっていたこともあり、息を軽く吹ける篠笛などがなかなか馴染めず、
陳情笛子も、試みに買ってみたものの、ずっと構造をみる以外ではほとんど触れていませんでした。

その他にも、憧れのあまり、各種横笛をそれなりに持っているけれど、それぞれの笛のクセ、音階や指のふさぎ方は違うし、唇のあて方、息の入れ方も微妙に異なるので、
一昨年、ネパール木製横笛に出会って自己修練に集中して以降は、能管も一時的に吹けなくなっています。

ネパール木製横笛は、能管よりは弱く、篠笛より強い息加減が、私にはちょうどいい感じで気に入っています。
まだまだ熟達には遠いですが、吹くのが楽しくてしかたない。

そして最近、ネパール横笛の六孔に慣れたら、
同じ六孔のバンスリや笛子への興味がこのところ燃焼しており、

幸いなことに、遠方で会えないながら、かなり熟練した日本人の笛子奏者と知り合えて、誰にも聞くに聞けなかった初歩的なことを尋ねることができたので、
改めて、“陳情”を取り出して、

今年になり風邪で少し呼吸器が弱ったリハビリも兼ねて、木製横笛と並行して練習するようになってみたら、
だんだん音も安定してきて、愛着が深くなり、今、音階を覚えているところ。

笛膜はないけれど同じ原理らしい、昨年秋に購入した、六孔のベトナムのサーオという竹製横笛も、同時に練習しています。
並行して練習すれば、吹きクセが偏ることなく、それぞれに馴染めるだろうと思うので、
しばらくは、ネパール笛・笛子・サーオを楽しむことに。
今のところ、曲が吹けるのは、ネパール笛だけだけれど。

ある程度吹けるようになったら、笛子も正式な運命の一本を検討したいし、
やはり琴学同様に哲学もあると思うので、初心だけでも学びに行きたい気もしています。

基本的に私は、琴で歌うのが主要な特質としていますが、
横笛もまた、たまらなく好きなのです。
独奏で聴いていただけるような技術や、伴奏や音響演出の技術がないから、課題はまだまだ多いけれど、
横笛も、自分の「声」として奏でていきたく思います。

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