ブループロトコルの衣装ガチャの問題点まとめ
はじめに
ブループロトコル(以下、ブルプロ)が失敗したのは、様々な要因が絡んでいるのは言うまでもないが、一番痛かったのはブルプロがただのアクションゲームでしかないことが判明してMMORPG的なものを期待していた多くのライトプレイヤーに逃げられてしまったことだった。
そしてただのアクションゲームにもかかわらずライブサービス型で遊び続けてもらわないとならないためにアドベンチャーボードをはじめとして時間稼ぎの繰り返し作業を盛り沢山にしたことがプレイヤーの離反に拍車をかけた。
これらの発端である、ブルプロがMMORPG的なものではなくただのアクションゲームとなってしまった主な要因は、
ユーザー間取引機能を実装せず経済が存在しなかった
大多数のプレイヤーはおしゃれ服を入手できず、おしゃれ機能が実質存在しないも同然だった
のニ点。
そして後者の「おしゃれ機能が実質存在しないも同然」にしてしまったのは、衣装ガチャに問題があったからだ。
当初はおしゃれ服の排出率がとんでもなく低い上に天井もなかったことで騒ぎとなり、その後多少は排出率が上がり天井も設けれられたが、ブルプロの衣装ガチャの問題点はもちろんそんなことではない。
0.「ガチャ=悪」という認識が欠けていた
1.「おしゃれは基本料金でできるもの」という認識が欠けていた
2.「ガチャはPtWで荒稼ぎするもの」という認識が欠けていた
3.「ガチャを魅力的にする」という意識が全くなかった
0.「ガチャ=悪」という認識が欠けていた
大前提として、海外はもとより国内でも「ガチャ(=ルートボックス)は悪」であるという認識は十分に浸透している。ソシャゲならともかくPC・コンシューマーゲームで海外展開を考えていながらガチャで儲けようとする事自体がそもそもセンスがなさすぎる。
それでもなおブルプロがガチャを採用するというのなら、プレイヤーに悪名高きガチャを受け入れてもらえるよう最大限の努力をしなければならなかったのだが……。
1.「おしゃれは基本料金でできるもの」という認識が欠けていた
ブルプロも含めて、不特定多数がアバターを介して3D空間を共有するゲームではアバターの外見はとても重要な要素。そしてFF14・DQ10・PSO2NGSなどの類似ゲームでは基本料金のみでも十分にアバターのおしゃれができ、その上でさらに特別なおしゃれ服がほしい人は別料金を払って追加で入手する。プレイヤーの大多数にとって「おしゃれは基本料金で十分にできるもの」という認識だ。
ところがブルプロは「衣装ガチャでマネタイズすることにした」と言いだし、それはまだいいとして問題は、ガチャ以外でのまともなおしゃれ服の入手手段を徹底的に潰したり困難にしたりして「ガチャをしないやつにおしゃれはさせない」という高圧的な姿勢で臨んだこと。
基本料金で十分におしゃれができないのも問題だが、さらに悪名高きガチャでしかまともなおしゃれ服が入手できないとなったら多くのライトプレイヤーが離反するのは当たり前。
こんな荒っぽくガチャを押し付けず、もっと穏便に折り合いをつけることも可能だったはず。
例えばPSO2NGSのようにユーザー間取引機能を実装しておしゃれ服も取引可能にして、おしゃれ服がほしい人がガチャをせずとも金策をしてマーケットで入手可能にするとか、例えばメイド服だったらノーマルなメイド服は簡単なクエストの報酬にして事実上の全員配布とし、その上でさらに様々なバリエーションがほしい人はガチャで入手してもらうとか、穏便にガチャを受け入れてもらう方法はいくらでもあった。
ブルプロはやり方がただただ露骨で乱暴すぎた。
2.「ガチャはPtWで荒稼ぎするもの」という認識が欠けていた
そもそもガチャはPtW(Pay to Win)の圧倒的魅力でもってプレイヤーに受け入れさせて荒稼ぎするのが主流。原神をはじめとする世のソシャゲは皆そうして荒稼ぎをしている。
ブルプロもわざわざ悪名高きガチャを導入したのなら腹をくくってPtW要素をさり気なく盛り込んで稼ぐ手もあった。
PtWは少なからぬプレイヤーに嫌われているが、「B-フェステβ」などの実質PtWアイテムがすでに存在して受け入れられていたし、PtWではないと言いつつギリギリを狙った何らかのPtW要素をガチャに導入するのは十分可能だった。
ところがブルプロはガチャを採用していながらそのような創意工夫をしようとせず、プレイヤーをPtWで煽って荒稼ぎすることができるガチャの特性を全く活かさなかった。
3.「ガチャを魅力的にする」という意識が全くなかった
PtWではなく正攻法で「ガチャを魅力的にする」こともできたはず。
例えばPSO2NGSのような参考にできるゲームも身近に存在した。
衣装は部位ごとに分けて、髪型も瞳デザインもまつげもペイントもジェスチャーもスタンプもフレーム柄も武器スキンも、とにかくなんでもかんでもガチャに放り込んで、ガチャのラインナップをすべて新作アイテムにする
ユーザー間取引機能を実装してこれらすべてを取引可能にし、重複アイテムや不要アイテム等の取引を可能とする
これだけのことをすれば悪名高きガチャでも積極的にではないにしろ受け入れる人が増えただろう。実際PSO2NGSはこれで十分商業ベースに乗っているわけだし、PSO2NGSに負けないポテンシャルを秘めていたと思われるブルプロもやれないことはなかった。
PtWでもない衣装が3%、アクセサリーを含めても15%、残り85%が「シーズンパスクエスト達成チケット」「チューニングチケット」などの実質ゴミアイテムで、しかも重複しても不要なものでも取引すらできないという現行の衣装ガチャなんて魅力がなさすぎて全くお話にならない。
無策の末路
ブルプロはガチャを受け入れてもらう努力を全くしなかった。ガチャチケットをたまに配って「ガチャをしろ!ガチャをしろ!」と圧をかけてくるだけだった。あまりに無策だった。
その結果ブルプロの衣装ガチャは、儲けることもできず、おしゃれ機能を実質存在しないも同然にして、MMORPG的なものを期待していた多くのライトプレイヤーを離反させただけに終わった。
そして経済もなくおしゃれ機能もないも同然のブルプロにはバトルしか残っておらず、ライブサービス型を成り立たせるほどのプレイヤーを繋ぎ止めることはもはや望むべくもなかった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?