明けないでと願う夜
見つめられると 目をそらしてしまう
“たいしたこと” なんだよ僕にとっては
心が動くのが見えてしまいそうで
止まらない気持ちを縛りあげているから
能天気なフリなんて最初だけで
何にも意味をなさないんだ 君の前では
“いつも”を装うために 靴紐を結び直す
明けない夜を願う日がある
ただ君といるこの夢に 爪先から頭まで浸して
ランタンの灯りを 不思議に眺めたり
知ってるはずの街の路地で 地図を開いたり
いそがされることも無く
せかされることも無く
限りなく続いて見える 夢の夜空を飛びたい
“いま” “ここ” という輝きに包まれて
澄んでいるのとは違う 穏やかな空気
照らされるのは すべからく月
君の目をまっすぐに見て
なでるような 吹き上げるような 風の中
ばかばかしいくらい素直になって伝えたい
白けて行かない空があるから 言えること
『よければ一緒に海を見に行かない?』
君と僕のための
と思いたい
僕と君のための
の言い換えでもいい
他のためではなく
眼を瞑る時だけは
ノクターンを 僕らのために