漂う
霧のような雨のなか
見えないものを探して
にじんでいる街を歩いていく人を眺めた
あの人達が見失ってしまったのは
月面の模様だけじゃないのか
ただ悲しさと愛しさだけが
いつものようにそこにあった
『きれいな目してるね 知らなかった』
見つめられて 息がつんのめる
のんきで伸びやかな君の表現は
好きなんだけど
傷つくことも多い
何事も ほどほどに胸にしまっておきたい
すっかり日が暮れて
色鉛筆で描けない空になった
めいっぱいの気持ちに
“んーっ”と背伸びして
伸びもしない見えもしない 影を踏んで
一斉に飛び立つ海鳥たちは
ロシアに向かっているらしい
君を元気づけたいな