なんでなんでしょうね
まだ夕方の青空に
夢みたいな月を見つけた
問うて
『なんでなんでしょうね』
答えて
『なんでなんでしょうね』
月を見つけたはずなのに
月に見つけられた気がした
問うて
『どうしてなんでしょうね』
答えて
『どうしてなんでしょうね』
答えはいつも 答えにならず応答だ
『言おうとしてたことがあるんだけど…』
問うて
『なんですか?』
答えて
『…忘れちゃった』
応じて
『思い出したら話してください』
それから
『…うん…うん』
忘れてなんかない
答えなんて知ってる
でも理由はわからない
ただ
夢みたいな月を見上げてしまうような気持ち
ずっと見上げ続けてしまうような気持ち