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日本全都道府県に行ってきた(下関ー広島ー尾道)

2022年9月から12月にかけて、日本を旅していました。最初の目標は、「日本最北端の駅である稚内駅と、最南端の駅である西大山駅の両方に行こう!」というものでしたが、途中から、「アレ?もしかしたら全都道府県を通れるかも…」という野望(?)が頭をもたげて来て…はてさて、それは達成できたのか?

これまでの流れはこのマガジンからどうぞ。

12月1-2日

前回は、走って関門海峡を渡ったところで話を一旦切ったが、その日の続きから。

偉業達成!(だかなんだか知りませんが)した後は、ホテルに戻って朝風呂に入った。泊まったホテルは、駅から少し離れていてるし、周りには観光拠点もないビジネスホテルだったのだが、最上階に大浴場があったのがポイントで選んだ。
さすがに露天にはなっていないが、風呂場の窓からは関門海峡、それを隔てた下関の町が見える。

走ったあと、そんな景色を見ながらゆっくりと朝風呂に入る…なんて贅沢な。

さて、今日は広島に向かわなくてはいけない。シドニーのホテルで働いていた友達がこの街の大きなホテルで働いているので、ぜひ再会しよう!と決めていた。そこにもう一人のホテル友達(っていうか、元上司だけど)が合流する。

門司港から広島までは、普通は電車で小倉まで行き、新幹線に乗るのが一般的だろう。

ただ、この書き手は乗り鉄でもあるし、ヒマ人でもある。

「昨日と同じルートはちょっとつまらないしなあ…。そういえば、さっき走っていた時に、波止場があって下関行きの船が出ていたなあ…。」

これまで関門海峡は新幹線でトンネルを潜り、歩いて(走って)渡ったけど、今度は海上から行こう!

船で渡るルートは、たぶん最も一般的ではない行き方のようで、多分観光客しか使わないんだろうな、小さなボートだった。
乗ってる人も、僕を含めてほんの数人。

関門海峡は、さすがについ今しがた走って渡ったくらいの狭さなので、下関の町並みはくっきりと門司港からも見えている。海を渡るという規模でもないのだが、潮の流れは早いようで、小さな船はそれなりに揺れる。船はそれに逆らうように、波を蹴立てて進む。

船はあっという間に下関の港に着いた。そこからバスに乗って下関駅まで。

さてここから広島までの行き方だが、順路的に言えば在来線に乗って新下関、そして新幹線に乗って広島なのだが、新下関に停車する新幹線は余り多くない。

結局、在来線でまた九州に行き、小倉で新幹線に乗ったほうが早いということなので、またしても関門海峡を渡る。はて、ここを渡るのは何回目なんだか?

でも、在来線の関門トンネルはまだ通っていなかったから、それはそれでまあ良いとする。

久々の大都市、広島駅に着く。

まずはお昼だな、広島といえばアレしかないよな…ということで、目に入ったお店に入ると、さすが広島だ。

 カープ選手御用達のお店なのか?

お好み焼きも、焼き立てでソースがかぐわしく、あっという間に目の前から消え去った。

すぐ近くにクラフトブリュワリーバーがあったので、誘蛾灯に引き寄せられる虫のように入る。

さっぱりとした内装のバーで、昼下がりのせいかお客はほとんどいなかったけど、ゆっくりとビールを楽しめた。

そこから足を伸ばして、原爆ドームと公園を散策。修学旅行生が多かったし、長崎で既に資料館は訪れていたので、ここでは周りを歩くにとどめた。

さて今日のお宿は、出来たばかりのヒルトン広島!

間違いなく、今回の旅では一番の高級ホテルだろう。

立地的には少し繁華街から離れているようだが、その分落ち着いたロケーションでいいのかな。

友達が働いているおかげで、なんだかすごくいい部屋にアサインしてもらい、一泊なのにもったいないなあ…と思ってしまった。

部屋の内装は、安定のヒルトンクオリティ。もみじ柄の壁紙が広島らしいよね。

そして、繁華街にないおかげで窓からの眺めが素晴らしい。向こうには瀬戸内海が見えるではないか!

友達との再開を果たし、夜は地元の美味しいものをたくさん食べ、積もる話をしながら…気づいたら次の日になっていた。

大きな窓からの朝の眺めも素敵過ぎる…。

この日は、3名でレンタカーを使って観光をすることにした。

まずは、呉にある大和ミュージアム。

写真を取るのを失念したが、戦艦大和に限らず、日本帝国海軍の歴史を網羅した、とても見ごたえのある博物館だった。

そして、さらに先の尾道へ。

せっかくだから、有名(らしい)尾道ラーメン食べたいよね、ということになり、広島地元民に聞いてみた所、「ここしかない!」という場所に行ってみた。「つたふじ」という名前です。

本当に小さなお店で、間口一間という外観。もちろんかなり長い列。

まあ、待ってみるか…と列の後方に着くと、待つこと45分で中に入れた。お店のドアにはミシュランのステッカーが貼ってあった。なるほど。

やっと入れた中は、カウンターだけの本当に小さなお店で、何十年前からずっとやってます、という感じの僕的には懐かしい内装。

いかにもラーメン道極めてます!といった他人を寄せ付けない雰囲気のオジサンと、意外にも気のつくサービスをするオバサンと二人だけでお店を回している。

せっかくだから大盛りを頼み、出てきたのがこれ!

僕は正直言って、行列を作って、30分以上も待ってまでラーメンに燃えている人間ではない。間違いなく、友達と一緒でなければ行ってなかっただろう。

で、実際の味は…?

いや、美味かった。ホントに。

背脂が乗っていて、見た目はヘヴィかな、と思ったけどなぜかそんなことはなく、ちょうどいい具合にコクがある。

スープは、魚介の味もかなりして、それがちょうどいい感じだった。

ええ、もちろんスープも含めて完食しましたよ。

並んで待ったから、という理由もあるけど、今まで食べたラーメンでもかなり上位に上がる一杯だった。

さて、尾道といえば坂の町。坂のてっぺんにある千光寺に行かないと。

僕みたいなブンガク系オジサンにとっては、尾道といえばなんといっても志賀直哉、そして小津映画「東京物語」のを連想するけど、もう少し若い世代だと大林宣彦の映画ですよね。この踏切も何回か出たそうな。

そしてまあ、階段の多いこと!でも喘ぎながら登ったてっぺんからの眺めは最高だった。

海がこんなに近くあって、その向こうには島々が広がっている。一番向こうは四国なのかな。

階段のさらに先は、大きな岩が重なっている山に鎖を使って登れるようになっている。

え~、ちょっと怖いなあ…と思ったが、3人で「やってみるか!」とチャレンジ。

ちゃんと鎖をつかんで登れば安全なのだけど、そこまでして登るもの好きはそれほどいないようなので、一度てっぺんに上がると、さらなる絶景を楽しむことが出来た。


こんな急坂の町、住むとしたら大変極まりないだろうけど、ふらっと観光で訪れるぶんにはアクセントのある景色を楽しめていいなあ、と思った。

また来てみたいなあ、と思う場所だった。

ここから僕は一度東に行くため、車でひなびた場所にある、新幹線の新尾道駅まで送ってもらい、友達を別れを告げた。

この文章は旅行記なので、友達のことについては余り触れなかったけど、この人たち、本当に尊敬する人たちなので、再開できて本当に良かったと思う。

さて、この晩は岡山に泊まった。なぜかという話は、また次回!

(つづく)