日本全都道府県に行ってきた(金沢滞在その2)
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11月5日
金沢滞在の続き。
金沢って、ホントに素敵な街だ。
まず、美術館、博物館といった施設が、街の規模の割には多くてそれぞれ高水準だ。
ホテルの近くに蓄音機博物館というのがあり、クラシック音楽が好きなのでふらっと入ってみたが、個人収集から始まった博物館なのに収蔵品の数、種類も多くてとても楽しめた。
蓄音機の聴き比べを一日に3回やっているので、これを聞かないともったいなさすぎる。
もちろん最新デジタル録音の良さもあるけど、アナログの蓄音機から流れる音も、決して悪くない!むしろ暖かみがあって、楽曲によってはこちらの方が雰囲気が出るかもなあ…と思った。
ここからほど遠くない場所にあるのが、大樋美術館だ。
白状すると、「大樋焼」なるものは全然知らなかったのだが、金沢のことなら何でも聞けばいいや、と信頼していたホテルみるぞーさんが絶賛した場所なので行ってみたが、ここは渋い。
…とまあ、こういうことなんだけど、僕が行った時はギャラリーには誰もいなくて、素朴かつ味わいの深い焼き物をじっくりと鑑賞できた。
そしてですね、ここのギャラリーショップでは、抹茶と和菓子を頂けるのだが、いくつかあるお茶碗を自分で選べる。
どうせなら、と思って一番古いお茶碗を選んだが、これは300年以上前のものだそう。ちょっと持つ手が震えてしまった…。
お茶の作法なども知らない僕だが、繊細かつ複雑な味わいの抹茶と、芸術的とまで言えそうな色合いの和菓子を頂いていると、時間がゆっくり流れていくのを感じた。
そして、金沢は和風の古い建物だけではなく、戦前のレトロな建物もチラホラあって、僕はこういうの大好きなのでたまりません。
この建物は旧村松商店ビルというのだが、直線的な造形といい、縦長の窓といい、アールデコですねえ…ほれぼれとして見入ってしまった。
現在はインテリアデザインのお店になっていて、おしゃれな家具やアクセサリーが販売されていた。
その少し先には、ブルーグレイの壁の色が品のある建物があった。この出窓、窓枠の模様などが素敵すぎる…。
これは個人住宅だったのだろうが、ここしばらくは空き家になっているようで老朽化が目立った。取り壊してほしくないなあ…。
表通りにあったこの建物も、重厚のある入口のアーチなど風格があってすばらしかった。一階は雑貨屋さんになっていて、ティールームもあった。
この辺りは、歩く博物館、といった趣でぶらぶら歩きがとても楽しかった。
そして、兼六園の裏側にある博物館が固まっているエリアに行く。
美術館の中にあるティールームの洋菓子は絶品!ということで、普段は団子より酒!の僕であるが、30分ほどの待ち時間を経て、客の9割は女性(男性だけ、という客は僕だけだったような…)という圧倒的アウェイ感の中で頂いたお茶とケーキは…絶品でした、流石に。
こんなデリケートな味わいのケーキは、なかなかない。
この後21世紀美術館にも行ったりして、さすがにギャラリー疲れしてしまったので、鈴木大拙館は外から見ただけだが、この水が静かに張られた中庭は、禅だねえ…。
いやはや、眼福の一日でありました…。
(つづく)