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マトモじゃないこの世界 「ボーはおそれている」映画感想文

2023年 アメリカ公開
原題:Beau Is Afraid
監督:アリ・アスター
主演:ホアキン・フェニックス

鑑賞日:2024年2月某日 某映画館にて

あらすじ


精神科通いで日常的に服薬が必要な中年男・ボー。
彼は過剰なまでに心配性で、日常生活を送るのも一苦労。
ある日、先ほどまで電話していた筈の母親の怪死の報せを受け、
それを確かめるため母に会うため帰省することを決心。
その道中で様々な奇妙な事件に出くわし、
現実か妄想かわからない世界に迷い込んでいく。。。

感想


しょっぱなから街に死体が転がっていたり、
全身タトゥーの男が追いかけてきたり、
この時点でボーの妄想の世界を見せられ始める。

ボーは、一度心配になると検索し、
その結果悪い情報を得てしまうと、
死の恐怖に襲われパニックになる。
そこに妄想が絡むから、尚のこと世界が恐ろしいものになる。

登場人物はボー含め全員おかしい。
まともな人がいなさすぎて
「マトモってなんだっけ?」
と思ってしまうし、
私は所詮、観客という名の傍観者なので
狂っている彼らを安全なところから笑って見ている。
こう考えると、観客の私もマトモではないのだろう。

話が進むにつれ、ボーの母はいわゆる「毒親」的な性質なのだろうと推測出来るが
ボーにとってはたった一人の母、
育ててくれた母なので、
「ママに会いたい」
その一心で旅をする。

「ボーはおそれている」
一体何をおそれているのか。
見た人によって感じ方は変わるだろう。
私は「ボーはママをおそれている」という単純すぎる答えにしか辿りつかなかった。。。

上映時間3時間だったが、今何時なのか気になる間もなく
あっという間に終わった。引き込み方が凄すぎる。
私はこういう後味の悪い作品が好きなので、
鑑賞してから数週間経ったが、
何度も咀嚼して楽しみたいくらいはある。
ただ、そう何度も映画館に通うことは出来ないので、
いつかNetflixに配信してください。。。

主演のフェニックスは素晴らしい。
「ジョーカー」でのガリガリなイメージから一転、
今作では丸々太って頭も薄くなって。
そして今年アメリカで公開予定の「ジョーカー2」でまたガリガリらしい。
体には悪いけど、そのくらいの役作りをされる役者さんは大好きだ。


あなたは何をおそれていますか?

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