悪い夢を待って
一か月文章をこね回して、結局のところ月末のこの時間になる。いろんなことがあったし、何もなかった七月。書くべきことはたくさんあるし、出来れば書き上げておきたいものもある。そういうものの前で、ずっと足踏みを続けている。むかし、誰かが言っていた。
「悪い夢ばかり見ているうちは大丈夫だ、本当にまずくなるとそれも見なくなる」
この話が事実だと、ついに理解する羽目になった。
ほんの数週間前まで、切れ切れの眠りは悪夢に覆われていた。目を覚ます、脂汗でシーツが湿っている。悪い夢のパターンはいつも同じだ、何かを落としたり、何かから落っこちたり、何かを探し続けているのにそれが何かわからなかったり。どこまでもループする焦燥と恐怖、そして目を覚ましたときの安堵。悪夢はある種のストレス解消送装置として存在する、とどこかで聞いたことがあるけれど、あれは本当の話なんだろうな。
代わりにやってきたのは、長い長い散漫な夢の羅列だ。昨日見た夢の話ほどつまらないものはないとよく言うけれど、そんなものくらいしか書けないのだからそんな話をするしかない。
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