借金玉
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たぶん、生まれて初めて作った曲がこれだったと思う。
眠れない三日目の。
犬と戦争、行き止まりの議論、みんな違う場所に立っていて
人が旅に出る理由はいろいろある。でも、「もうじき兵役年齢が上がって戦地に赴くことになるから、その前に全財産をはたいていろんな国を巡っている」みたいな話になると、なかなかリアクションも難しくなる。そうか、そういうこともあるよな。そうとしか言えない、だって僕はそんな状況とは全く無縁に生きてきたのだから。
国際情勢があんな感じなので、そんな理由で日本観光にやって来る人は結構多いらしい。そう聞くと、
年末のはずだった予定が早まって
切り詰めてギリギリだったお金が少し浮いた
連絡すら返せずにいるたくさんの人たちに
何か贈り物ができる
すごくうれしい
今日は家の外に出たい
謝れないことを謝る方法
贈り物ではとてもたりないのはわかる
大したものは贈れない
でも、うれしい
そこで終わってしまったら、悲しいよ
本が読めない。それは仕方がない。鬱とかそういうものがやってくると、書籍を開くことが出来なくなる。電子ならなんとかいけるかな、なんて思ってはいけない。出来ないものは出来ない、諦めるしかない。僕は何をどこまで諦めることができるんだろうか、本を読むことを諦めることに成功した、それは成長なんだろうか。そんなわけはないだろうと思う、そうであると言い張りたい気もする。そういうときに、ふと「なぜか読める」文章
もっとみる気にしないで、犬とさかなの話だから
終わりに向かって歩いている。案外気分は悪くなくて、水槽のオイカワを彼らが生まれた荒川に返す元気が出るのを待ったり、煙草を買いに行くことも出来ないまま陽が落ちて、夜なら外に出られるかな、と帽子をかぶったまま、朝になるまで椅子に座りこんでいたり。とにかく、現実的な話はもうできない。結局のところそれは結果として表れるしかないものなんだと思う。文章を書く、伝達、線と線が結ばれて形が、光が、音が、匂いが現
もっとみる発達障害者の未来について
「発達障害者の未来はこれからどうなっていくと思いますか?」
この仕事をするようになってから、どれだけこの質問に答えたかわからない。その度に僕は、「発達障害という枠ではなく、個人の環境や能力の個別性によって、大きく結果が分かれる社会になっていくだろう」と答えてきた。大体これだけでは意図が伝わらないので、こんな風に付け加える。
「発達障害者であれ健常者であれ、資本主義社会で生きる以上利益を出せる
犬から主人を引き算したあとに残った世界
たぶん、ポール・オースターの小説だったと思うのだけれど、「犬から主人を引き算した世界に何が残るというんだ?」みたいな一節があって、僕たちが生きているこの世界にはとても残酷な算数がわりとたくさん存在している。そして人間は数字を数えるのが得意な生き物だから、自分の人生から何が引き算され、何が残っていて何が残っていないのか、わりと正確に算出することが出来る。つまり、30歳で借金以外何も残らなかった発達
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