ドイツで文化の違いを痛感した|消費者インサイトってこれ!
本来ならば、今月はドイツに出張している予定でした。
2020年11月10日 ~ 13日 にミュンヘンで開催される展示会に出展予定だったから。
残念ながら、9月の時点で新型コロナウイルス禍を警戒して中止が決まったけど、現在のヨーロッパの状況を見ると中止という判断は正しかったと思います。
ただ、なんか寂しいなと思って前回の展示会を思い返していると一つ印象的だったことを思い出したので共有します。
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日本で【ペットボトルに入っているビール】が売られていたら、君はそれを美味しそうだと思うだろうか?
その「何となくの感覚」が重要だ。
ドイツでケチャップも水も「ガラスのびん」に入っている理由はその方が美味しそうに見えるから、ただそれだけなんだ。
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これは取引先のドイツ人に言われた言葉です。
なんか、いま思えばこれって「アートシンキング」なのかな?と感じます。
日本人って「なぜこれが良いのか?」を理屈で説明しようとしすぎるけど、この理屈ではない感覚の方が消費者のインサイトに影響を与えるんだろうなと気付かされました。
■ガラスのびんに入ったお水は重たい
これは、フランクフルトのホテルの部屋に置いてあった無料サービスのお水です。
この時は
「日本のホテルと違って、ヨーロッパはオシャレだなぁ」
と思って写真を撮ったんだけど、このホテルに限らずどこのホテルに行ってもこんな感じのオシャレなガラスのびんでした。
そこで思ったんです。
「ガラスは重たいのに、なんでPETボトルを使わないんだろうか?」
って。
そういう目で見ると、ドイツってガラスが多い!
ケチャップもマヨネーズもガラスのびん。
これってアメリカもそうなんだけど…びんに入ってると使いにくいですよね。
慣れているからなのか、逆に日本のってめちゃくちゃ使いやすい。
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そこで、ドイツの大手化学メーカの事業部長と食事をする機会にこの疑問をぶつけてみたんです。
彼は樹脂製品の販売がメインなので、ガラスは競合品です。
潰したい憎き相手のはず。
その時に彼の口から出た言葉が冒頭の言葉です。
日本で【ペットボトルに入っているビール】が売られていたら、君はそれを美味しそうだと思うだろうか?
その「何となくの感覚」が重要だ。
ドイツでケチャップも水も「ガラスのびん」に入っている理由はその方が美味しそうに見えるから、ただそれだけなんだ。
そして、それに続けて、こんなことも言われました。
びんのお水よりもペットボトルの方が軽いから便利?
じゃ、日本人はなぜ居酒屋でびんビールを飲むんだ?
PETビールの方が軽いぞ。
と。
◆◆◆
販売する側の理屈はどうしても「便利」とか「安い」を追求することになってしまいます。
でも、実際には「何となくその方が美味しそう」というこの感覚が大事なんだ、と考えさせられました。
そして、こんな感覚を持った人だからこそ、ガラス優勢のドイツで樹脂製品を販売する事業部の部長が務まるんだろうな、とも。
じつは周りにある「何となくの感覚」をうっかり見逃しているのかも知れないですよ!
今日の情報が、みなさんのお仕事のお役に立てれば嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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