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【初心者~中級者】営業商談でニーズを聞き出す4つのワザ【結論:SPIN話法】
商談で顧客のニーズを聞き出す方法を知りたい!
先輩や上司から「お客さんのニーズをヒアリングして来い」と言われたけれど…ヒアリングって、どんな風にやったらいいんだよ!
そんなことを考えていた営業デビュー直後の自分に対して、
営業初心者だった当時の僕でも理解できるように、
ニーズを聞き出す4つのワザ、すなわち『SPIN話法』を解説してみます。
SPINとは:
S:状況質問(Situation Question)
P:問題質問(Problem Question)
I:示唆質問(Indication Question)
N:解決質問(Need pay-off Questoin)
の4つ質問方法のこと。
この中でも、SとPをセットにして「ニーズを発見する質問」、IとNはセットで「ニーズを発展させる(育てる)質問」と分けられています。
営業って、会社の中では「顧客のニーズをつかめ」「顧客のニーズを聞いてこい」と、何かの呪文のように言われますよね。
でも、それを聞かされた初心者は「そもそもニーズってなんだよ?」なんてことを思うはず。
でも、このnoteを読めば
・ニーズって何?
・ニーズを聞き出す質問方法
の2つが分かるようになります。
なぜならば、ここに書いてあることは、営業ならば読んでおくべき以下の本から、重要な部分を抜き出してまとめ直したものだからです。
この本の著者であるニール・ラッカム氏が率いるハスウェイト社は様々なセールスパーソンに同行しました。
そして「結果を出す一流セールスパーソン」と「そうでないセールスパーソン」の違いを明確にする調査を行いました。
それをまとめたのがこの本です。
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[1] 大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
https://amzn.to/3c0g3Xy
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また、このnote書いている僕自身は営業歴13年です。
営業部長になる前は6年間、担当として営業の最前線で販売活動を行っていました。
その時は個人売上げが毎年10億円を超えていました。
僕の勤めている会社ではこれくらい売ればトップセールスです。(担当市場に恵まれていたということは正直にお伝えしておきます)
その後、営業部長として15名ほどのメンバーを率いて7年、個人の売上げは最下位となりましたが、プレイングマネージャーとしてチームの連続増収増益を続けています。
ちなみに僕たちの会社はいわゆる「大型商談」になるような商品を扱っています。SPINは小型商談でも役立ちますが、テーマの性質状、大型商談を想定した記事の作り方になっています。
◆1.営業が商談でやるべき4つのこと
以下の4つが、営業が商談でやらなければいけないことです。
(1)ニーズを聞き出す
(2)ニーズを育てる
(3)ニーズを満たす商品やサービスを紹介する
(4)次の約束をとりつける
(1)は先輩や上司から良く言われる言葉です。
ただ、(2)についてはどうですか?意外とこれを口にする人はいません。
だけど、SPINの中でも特に重要なのがこの「ニーズを育てる」ための質問です。
このあとに詳しく解説しますので最後まで読んでもらえると嬉しいです。
このnoteでは(1)と(2)についてのみ解説します。
(3)はFABという1つの手法としてまとめられるくらいボリュームがありますので、別のnoteに書きます。
「4つのやるべきこと」の概要は別のnoteにも書いてありますので、そちらも参照してください。
◆2.なぜニーズが大切なのか
そもそもなんでニーズを聞くのか?も理解しておいた方が良いと思います。
それを理解しておかないと
「あれ?なんでいまニーズを聞く方法を身につけようとしてるんだっけ?」
ってなるからです。
その答え、シンプルに言えば、
ニーズとは「何かを買おう、と行動するための出発点」になるから大切
ということになります。
ちょっとだけ具体的に説明しますね。
あなたがある社内システムの見込み客(売り込まれる側)だとします。
いまの状況に100%満足していたら変化をする必要はありません。そんな時に、新しくシステムを変更しようなんて全く思わないはず。
でも、ほんのちょっとしたことであっても、不平不満に気づいた時ならば「この問題が解決したらいいな」と思いますよね。
その瞬間こそが「何かを買おう、と行動するための"出発点"」になります。
そして見込み客に実際に買ってもらうには、売りたい商品やサービスが見込み客の問題を解決できないとダメですよね。
なぜ、ニーズをつかまえることが大切なのか?
なぜ、ニーズを理解しなければいけないのか?
ここまでの説明で「なんとなーく」分かってもらえたでしょうか。
ここでは「なんとなく」で良いです。
「ニーズは購買の出発点」だけ覚えておけば。
このあと、S→P→I→Nと説明していきますが、その過程で何度も「ニーズ」について話をします。
そこでニーズが形を変えて変化していきます。
その変わり具合を見てもらえば、
ニーズとは「何かを買おう、と行動するための出発点」になるから大切
の意味を理解してもらえると考えています。
◆3.状況質問(SPINのS)
見込み客からニーズを聞き出すためには「状況質問」→「問題質問」という順に2つの質問をすることが効果的です。
まず「状況質問」をすることで、見込み客の現状・環境についての客観的な事実を聞き出します。
これらの情報は、売り手にとって「自分の売りたい商品とどう関連付けるか?」を考えるために知るべき内容です。
例えば、こんな質問です。
「最近の受注状況はいかがですか?」
「いまお使いの設備を導入したのは何年前ですか?」
「切削機は何台お持ちですか?」
...あれれ?チョット待ってよ。こんな質問なら新人の私でもやってるよ!
って思いましたよね。
その感覚、正解です。
実際、ニール・ラッカム氏も書籍に書いています。
状況質問は売り手と見込み客の双方にとって害のない質問なので聞きやすい、と。
だから、経験の少ないセールスパーソンは状況質問を連発しがちだ、ということも書いています。
同時に、
状況質問で利益を得るのは売り手だけ。だから、状況質問が多すぎると見込み客は商談に飽きてイライラしはじめる
と警笛も鳴らしていいます。
見込み客を退屈させるような質問を続けないように、商談前に十分な下調べしておくように気をつけてください。
Webで調べれば分かるようなことは聞いてはダメですよ。
◆4.問題質問(SPINのP)
ニーズを発見する質問の2ステップ目です。
ここは、普段から見込み客が感じている不平不満を聞き出す、というステップです。
質問例を挙げるとこんな感じです。
「こんなに急激に受注が増えると、この先で何か起きませんか?」
「いまの設備を使い続けることに何かお考えはありませんか?」
1つ前の状況質問で挙げた例と見比べてください。
状況質問で聞き出した現状に対して「あなたはどう思いますか?」という見込み客の考えや評価(不平・不満)を聞いています。
ここまでで、ニーズを発見するための質問として「状況質問」「問題質問」という2つを紹介しました。
おそらく「これくらいの質問は普段からやってるよ、しょーもない話だな」と思っている人もいるかも知れません。
とはいえ、この先に紹介する「示唆質問」「解決質問」につなげるためには必要な質問で、決して軽く流せるようなステップではありません。
次に紹介する2つのテクニックも使いながら、確実にニーズを発見するようにしてください。
◆テクニック①:
商談前に「見込み客が抱えているかも知れない」かつ「あなたの製品やサービスで解決可能」な潜在的な問題を想像して、少なくとも3つは書き出してみる
◆テクニック②:
テクニック①で立てた3つの仮説を浮き彫りするような「質問」を書き出してみる
◆5.示唆質問(SPINのI)
次は、明るみに出てきた潜在ニーズを顕在ニーズに育てあげる「発展のための質問」をする2ステップです。
そのステップの1つ目がここで解説する「示唆質問」。
ハスウェイト社の調査によれば、トップセールスパーソンは複数のタイプの質問を使って、潜在ニーズを顕在ニーズへ発展させるのがうまい、ということが分かっています。
ここで解説する「示唆質問」→「解決質問」の2つのステップを活用して、トップセールスパーソンのように、ニーズをうまく発展できるようになることを目指してください。
まず「示唆質問」とは何か?です。
ひとことで言えば「問題の重大さを認識させるための質問」となります。
示唆質問の例を見てください。
「いまの古い設備では機械を止める時間が長くなりませんか?」
ここに至るまでに、問題質問を使って「小さな不平不満(潜在ニーズ)」を聞き出しているはずですよね。
でも、多くの会社では、そんな小さな不平不満には気づいているものの、いまは何となくやりくりできているからこのままで良い、と判断して放置しているんです。
もしくは、目の前の小さな問題しか見ていない、ということもあります。
それは、その目の前の小さな問題を解決して得られる効果と、解決にかかるコストを単純に比較して「費用対効果が低い」と安易に結論を出しているということ。
実際にはその小さな問題の先に大きな問題が隠れているのに。
その大きな問題まで解決出来れば「費用対効果は高い」はずなのに。
そのような見込み客に
「このままだと○○○が起きた時に✕✕✕という問題につながりますよ」
と示唆してあげるのです。
そして
「それは、気づいていたのに放置していた、あたなの責任になりませんか?」
と、教えてあげるのです。
そうすると、これまでは「アクションを起こすには不十分」というような小さなニーズだったのに「買いたい!」という、ちょっと大きなニーズに変わります。
これが「潜在ニーズ」を「顕在ニーズ」に育てあげるということです。
「コストを掛けてでもこの不満を解消したい。解消しなければいけない。」と思ってもらうのです。
ただし、注意点があります。
◆注意①
そのまま直球の言葉で指摘してはダメです。
人間は他人から"本当の欠点”をずばり指摘されて「行動が変わる」「改善される」ということはほぼあり得ません。(あの澤円さんも言ってました!)
指摘するのではなく、質問という形で導くのです。
見込み客の言葉で自らその問題を語ってもらうのが効果的です。
◆注意点②
必ず次の「解決質問」とセットで質問してください。
なぜならば、「示唆質問」は見込み客の弱点を指摘することになるため、それを聞かされた見込み客はネガティブな気分になるからです。
そのまま放置しては、ただ見込み客を落ち込ませた、で終わってしまいますよ。
◆6.解決質問(SPINのN)
前の章の最後にも書きましたが、示唆質問で問題を明らかにされた見込み客の感情はネガティブになっています。
この「解決質問」をすることで、問題を解決しよう!というポジティブな感情になってもらいましょう。
実は、上手に示唆質問ができていれば、そして上手にニーズが育っていれば、その見込み客の担当者は「欲しい」という気持ちになっています。
ただし、大型商談の場合はこの先にもう1つ、乗り越えなければならない大きな壁があります。
何のことか分かりますか?
答えは、見込み客の社内で承認をもらうという作業です。
いま、売り手であるあなたが説明している相手は、見込み客の担当窓口の一人です。
その担当窓口があなたの持っている商品やサービスに対して、どれほど強い気持ちで「買いたい」と思っていても商談成立には至らないのです。
その窓口の方が、社内でプレゼンをするなどして決済者の承認をもらわなければいけないのですから。
そして、そのプレゼンの場にあなたは参加できません。
ここが大型商談の肝となる部分です。
窓口担当者には、あなたに代わって見込み客の社内でプレゼンをしてもらわなければいけないのです。
だから、その窓口担当者がうまくプレゼンできるよう、あなたが練習してあげましょう。
見込み客の、社内の決済者が知りたいであろう内容を想定しながら質問してあげるのです。
ここでのポイントは、決済者が知りたいことはたいてい「商品やサービスの良さ」ではないということです。
多くの決済者は、自らの会社の問題解決に対して「どう役に立つのか?」「どういう利益をもたらすのか?」が知れれば良いのです。
だから、窓口担当者がこれらを上手に語ることができるように、想定される質問をして、すらすらと担当者自身の言葉で語ることができるように練習をしてあげましょう。
その質問こそが「解決質問」です。
最後に例を挙げておきます。
売)弊社のこの設備はメンテナンス回数を減らせる、という利点もあります。
買)それは良いね。メンテナンス回数は問題だからね。明日部長に言っておくよ。
売)メンテナンス回数が問題と言いましたが、回数が減るとどんなメリットがありますか?
買)当然、コストだよ。
売)それは部長にとって一番重要なメリットですか?
買)そりゃそうだよ。・・・いや、違うな。部長にとって一番重要なのは、処理枚数だ。メンテ回数が減ればそれだけ処理枚数が増える。それに、メンテ終了後の再稼働直後は良品率も落ちるんだけど、メンテ回数が減るということはそれだけ良品率が安定する、つまり処理枚数が増えるってことだな。おたくの設備を導入するとコストが下がるだけじゃなくて、部長がいちばん気にしているキャパUPにつながるってことだな!
◆まとめ
まとめとして、各質問の流れを図にしました。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。