EXPO前の上海はタクシーの中でタバコを吸うのは当たり前でした
「上海万博」直前の中国ではTVCMで、そして街頭広告で
公共の場でたばこを吸ってはダメ
と言っているのを、何度もなんども見ました。
その結果、マナーは劇的に良くなりました。
そのことから、
「✕✕しないとダメだよ」
「✕✕はやっちゃダメでしょ」
と、ハッキリと口にして伝えないとダメって学びました。
でも「言えば変わる!」なんて簡単な結論を言いたいのではありません。
「そんなこと、言わなくても分かるでしょ」は思い上がりなんだ、
それはみんなの「当たり前の基準」が違うから、
だから、みんなの「当たり前の基準」が変わるまで何度もなんども言って、大きなうねりを作らなければいけない。
逆にうねりを作ることができれば、短時間で多くの人の行動を変えることができる、
という事実を目の当たりにしたという話です。
そして、これはあたなが働く会社や所属する組織でも同じだと思います。
■万博前の光景
例えば、当時の上海で注意されていたのは
エレベーター、バス、タクシー、電車の中、ホテルのロビーなど、公共の場でたばこを吸ってはいけません
公共の場で服を脱いではいけません
など。
逆にいえば、万博前はこんな光景があったということです。
でも、万博が始まるまで、何度もなんども、色んな媒体を使って
「たばこダメ」
「はだかダメ」
を言い続けた結果、大きく変わりました。
実際、上海でたばこ吸いにくくなったし。
以前は、たばこを吸う場所を探すなんてことしてなかったし。
吸いたいタイミングで、吸いたい場所で吸っていたし。
なんかね、日を追うごとに何となくみんなの見る目が変わっていくんですよ。
分かりやすく嫌がる顔をするし、ホテルのロビーで吸っていたら「消してください」って言ってくるし。
普通に生活している普通の人の価値感が変わっていくのを体感していました。
■万博後の光景
もし、最近の上海を訪問して「いやいや、やっぱりマナー悪かったぞ」と感じた方に向けて補足します。
揺り戻しは確実にありましたよ。
万博が終わってから、元の自由な上海に戻ろうとする逆のうねりみたいなのが。
◆◆◆
例えば、万博が終わった直後の2010年の年末に上海でタクシーに乗った時のこと。
後部座席に座ると、運転手のヘッドレストに大きな禁煙マーク。
でもね、走り出すとすぐに運転手がたばこを吸い始めたのです。
「はは~ん。万博終わったら元通りってことね?」
と思ってボクもたばこに火を付けました。
すると運転手が「禁煙だ!」って怒ったのです。
「なんで?あなたは吸ってるでしょ?」と反論すると
「その禁煙マークはお前の方を向いているだろ?だからお前はダメ!でも、俺の方には向いていないから俺は大丈夫なんだ!!」。
こんな中国がボクは大好きです。
◆◆◆
それでもやっぱり、万博前より大きく変わったという事実は間違いありません。
子育てでも、部下教育でも、組織の風土改革でも、ちゃんと
「ダメなことはだめ」
と言える人間を目指します。
最後まで読んで頂きありがとうございました。