『選手宣誓』代表者:世界八番目の不思議
貫一はお宮にこう言った。
「来年の今月今夜のこの月を僕の涙で曇らせてみせる」と。
これに対しお宮はこう答えた。
「うっさいわボケ、高利貸しなら出すもん出して帰らんかい」と。ケツを蹴り上げながら。
激怒である。まごうこと無き激怒である。
人は怒りを原動力に誰しもが想像つかぬ行動に出ることがある。
右のお宮さんも同じく、高利貸しという恐ろしい存在をものともせず、ケツを蹴り上げ罵倒する蛮行を働いた。
ダメではないか。無論、ダメである。
しかし、激怒の前では倫理・規範・道徳など塵にも劣らぬ存在となり得る。
激怒の前では、男・女・子供・老人関係なく不条理を被ること余儀なくされる。
激怒の前では、神童天才凡人も垣根がなくなり悪鬼羅刹と化す。
激怒の前では、すべてが平等の存在となりすべてがお互いを殴り始める。
激怒の前では、人間は丸裸になる。
それがこの『キリプリヲアンソロジー:激怒』の意義である。
激怒の前では全てをさらけ出すのだ───
選手宣誓。
我々選手一同は、日々の鬱憤・脱糞を解き放つが如く、スポーツマンシップに則り、凶器使用・場外乱闘・金的攻撃を乱用し、正々堂々戦うことを誓います。
令和五年 十一月四日 選手代表 世界八番目の不思議
キリヲアンソロジー:激怒編 概要
テーマ:激怒
ルール:「キリヲまたはキリプリヲは激怒した」を入れること
形式:問わない
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