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カミングアウトしたくてもできない
それはそれは厳しい現実を目のあたりに体験した、ドラマチックで切ない感動物語であった。
久しぶりの将棋ゲームは30数年ぶり
将棋ゲームでもやってみようとネット検索をしてみた、将棋アプリでのゲーム。将棋の駒を動かすのは30年ぶり。小学生の頃、お正月で集まった親戚の叔父さんが、お遊びで教えてくれたのが将棋をはじめたきっかけであった。
遊びの延長線上であったから将棋駒の動かし方を知っている程度で、勝負の理論などはまったく意識もせず、友人と対戦しては一喜一憂していたのを覚えているくらい。
己を知りいざ対戦
アプリの将棋ゲームでは、小学生レベル、中学生レベル、高校生レベルといくつものレベルにわかれ、それぞれがさらに細分化されていた。レベルの設定はどこのどなたがそうしたのかなど知る由もなく、さすがにいきなり名人と勝負なんて考えるほど図々しくもない。
かといってまさか小学生レベル?なんてことになったら、今後の人生に波紋を投げかけてしまうと気にもなり、遠慮の上に熟慮を重ねた結果、試しに中学生レベル上中下の中レベルに決定した。(笑)
まさかの展開
いくら30数年ぶりとはいえ、中学生レベルに50数年生きてきたこの私が負けるわけがない。人生の経験の重さと年齢を重ねた知恵をアプリとの闘いとはいえ思い知らせてやると、まぁ鼻息荒く先手で勝負で開始となった。
ある意味将棋を見下しての先手であったから、たとえ不利な立場での戦いとなったとしても最後の最後大逆転でひっくり返し、見事勝利となる流れも余裕のヨッチャンの上に、よせばいいのに鼻歌交じりで飲み残しの日本茶を口にしながら駒を進めたが、事件は起きた。
なんとなんと、30数秒で大手!
このときの驚きとショックをどう表現していいやら。慌てて回りを見渡しながら誰にもこの事実を見られていないことを確認した上で、何があったのか慌てまくる始末。中学生相手に30数秒の秒殺で見事に負けた、その負けっぷりは消せぬ事実の瞬間であった。( *´艸`)
完全犯罪
この事実は死ぬまで自分の胸の中におさめておかねばならない。もうけして、将棋ゲームを手にすることはやめることにしよう。そうだ、私は将棋を知らなかったということにこの際しておこうとさえ考えた。
将棋を教えてくれた親戚の叔父さんも高齢で、こんなことを覚えているはずもなく、一緒に遊んだ小学校の同級生も合うこともないだろう。つまり、まったく密室で起きた完全犯罪なのだ。
もちろん、妻の奥さんには極秘である。