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映画ラブ&ポップの感想

前書き


冒頭というものはとても大切なものである。
なぜならその物語にとって主張したいことを
何の制限もかからずに自由に表現できる最良の場であるからだ。
それ故、最も重要な事、物、前提が古今東西あらゆる
創作物で表現されてきた。
それは聖書でも
     古事記でも   
       経典でも 
      憲法でも
     詩でも
   小説でも
    漫画でも
      アニメでも
   
   …そしてそれは映画でも変わらない。


ラブ&ポップの冒頭は何だったのか

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ラブ&ポップ冒頭、
幻想的な水面…に年頃の女が浮かんでいる。
水面を漂うことの意味は覚醒が近いという事だろう。
次に女が眠っているベッドを天井から視点で撮っている。
状況を説明しつつ覚醒がより近いことを知らせているのだろう。
そして一人称のカメラアングルに切り替わる。
暫くして自分の手のマニキュアを宝物を見つけたように眺めている。

ラブ&ポップ冒頭は所謂、臨死体験の逆戻りを
思わせるような表現で始まる。
これはいったい何を意味するのか…庵野監督はこのシーンの意図に恐らく
覚醒や転生、追体験といったものを暗示したのではなかろうか?
そう考えたとき、僕は監督にこう囁かれた気分になった。

「…君、JKの役やってみない?」

僕は無意識の領域からの覚醒体験を経て
手に塗ってあるマニキュアを観てほほ笑んだ
この瞬間、彼女に僕は完全にシンクロした。


今でいうとこの「JKに転生したんだが?」



やっていいのか……日本国宝…女子高生を!
30後半(自称14歳)百合大好きのこの僕が!?
この意図に気付いたとき(合ってるかどうかは置いといて)
庵野の天才たる所以に改めて気付かされる思いがした。
「やらないのなら帰…」
「やります!やらせてください!」(食い気味)
頭の中で1人EVA漫才をしながら僕はこのVR女子高生にもう興味津々だ
この時は、この映画は庵野監督からの福音のように感じられた。
そうこの時までは…


シブヤ女子高生も楽じゃあない



楽しいことも在れば思春期特有の悩みもある。
…むしろ悩みを忘れるために楽しいことを探してる感覚の方が
近いのかもしれない。 
そしてこの映画に出てくる援助交際相手等の男性陣が
あの…その…ハードル高すぎない!?
控えめに言って「うぷっ気持ち悪い。」が誉め言葉に
なりそうなくらい一癖も二癖もあるような奴らがぞろぞろと…
あなたの都合もわかるけど
私の気持ちも考えてくれないかしら!?


とどのつまり



結局、映画の中で1日女子高生体験ツアーを終えての感想は
在り来たりかもしれないが女子高生には女子高生の葛藤があり
援交する男には男の何かしらの渇愛の葛藤があり
それをリアリティーたっぷりに表現している。
この映画を通してこの2つの葛藤を理解することで
この間にあるATフィールドが中和されるのではないか?
良い映画やゲームの評価が世代や性別の垣根を超えることが
必要条件ならばこの映画はそれを満たしていると思う。

しかし一つ言わせてくれ……


もう女子高生はこりごりだ!



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