「発達支援コラム 「答え合わせ」の重要性と潜在的カリキュラムほどムズカシイはなし」
直感的にわかりにくい?
答え合わせは暗黙のルール・潜在的カリキュラム。
すごく詳しく教えてもらった人は別として
やり方知らなかった、やる意図がわからなかったという
お子さんが多いです。
「評価」と感じて嫌いな人も。
暗黙のルールは学校生活や園生活、
社会生活や日常の中で多くあります。
学習カリキュラムなどとは違って
生活する上で存在するルールです。
規則・規律・慣例の3つからなりますが
「上靴で過ごすところと下靴で過ごすところの境目」
「学校ではチャイムが合図になっている」
「授業中、答えが分かっても言わない(あてられた時だけ)」
など、様々ですが、なんとなく直感的にわかるもの(認知)が
わかりにくい、難しいことはよくあります。
答え合わせもそのひとつです。
意外にも、答え合わせの意味ややり方がわかっておらず、
なんとなく答え合わせの時間を過ごしているお子さんがいます。
「なに色鉛筆使う?」
「どこの場所にまるする?」
「間違っていたらどうしたらいいの?」
困っている人は、かなり多い気がします。
なぜそう思うのか。
私自身、「答えあわせという概念」を
教えてきたからです。
教えるということは「分かっていないひと」が
それだけ多いということです。
「(正解だったら)まるつけてね。」と言われて、
全部にまるをつけていたり
まるとはどれくらいの大きさで
どの様な形に描くようにすればいいのか、
など、考えすぎちゃって
「フリーズしている」
サボっているようにみられることもありますが、
フリーズはパニック症状なので要注意です。
こういう日頃の何気ない一コマが度重なると、
おうちの玄関開けたら大泣き、
おうちでは暴言で荒れる
ずっとバランスボールに乗ってぐったり
など、
学校から出て、安心する場所に入った途端
「ドカーン」なんてこともよくあります。
ただ、学校ではおとなしかったりするので
(実際はフリーズしてるだけ)
「大丈夫ですよ」と
取り合ってもらえないなんていうことも
実際よくあります。
これは訪問支援に行ってよく感じること。
ただ、訪問支援へ行かせていただくと、
対象のお子さんだけでなく
クラスに何人かまるつけ分かっていないんじゃないかなと
いうお子さんがいることもしばしばいます。
定型発達のお子さんの、
「いつも先生がまるをつけている感じでいいんだな」
「お母さんに聞いてみよう」
「隣の席の子は、どんな風に丸しているんだろう」
など、ピンときたり、
想像し対応したりするような
「なんとなくわかる」が
特にASDのお子さんなどはこれが難しかったりします。
ですが、一緒に「答え合わせ」をスキルとして学べば
できることもたくさんあります。
人にもよりますが、
「決めるとできる」人は
まるをつける場所や大きさなど
具体的に決めると、安心してやりやすくなったり
できるようになった人もいますし、
「理屈(原理)を知りたい」人は
答え合わせの意味、
「間違いを発見して学ぶためにある」と
教えるとスッキリする人もいます。
答え合わせを
「間違いを指摘するためにある」
「叱られるためにある」など、
時には、経験から悲しい思い違いをしていることも
あります。
答え合わせは、
あなたを否定するためではない
間違いを露呈するではない
ことを知ったら、
「なんだぁ〜」と、
安心して答え合わせができるように
なった人もいます。
修正できたことを褒めるなどの
大人の協力は必須です。
能力はあるけれど、概念で躓いていたなどという
「不必要なできない自分」を減らすことが大切なのは、
二次障害の予防
にも大きく役立ちます。
答え合わせは、生きる力にも役立つ?
小さな頃から、やりっぱなしではなく、
見返す力、見直す力が自然と身につくことは
大切です。
「忘れ物ないかな?」
「今日の予定どうだったかな?」
「期限はいつまでだったかな?」
「火の元、鍵、大丈夫かな?」
見直すって日常に溢れています。
その観点からも、
答え合わせや見直しって役立つスキルです。
心を育むのにも
正解にこだわる答え合わせではなく、
「失敗は修正すると正解になる」
「失敗しても修正できる」
「できない時は誰かにお願いしてもいいんだ」
「完璧なことなんてないんだな」
と、「まぁいっか」につながること、
そして「継続の大切さ」や
時には「変更できる力」「お願いスキル」など
色々な学びの源になります。
そう考えると、
答え合わせもいいもんです。
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